ラスト踏み込んで欲しかったですが……


IPであり企画書である、というあたりは概ね意見が一致します。

映像メディアの体験の充実によって記号の補完が発生し、小説の文章表現そのものがいらないものとしてみなされている。結果、文体や作家性が排除され、従来の小説が成立しなくなっているという部分は共感を覚えました。

IPに関しては三木一馬さんの著作を、なろう系の問題については飯田一史さんの著作を彷彿とします。

個人的になろう系の隆盛で危惧する点は、文章表現が劣化したことが語彙力の劣化に繋がり、思考の劣化へ至るのではないかということです。

希望のある点としては、追記で示されていたとおり、物語という媒体に何を求めているかが水戸黄門の時代から変わらないこと『王道の普遍性』にあると思えます。

危惧はしましたが、文章表現、作家性が薄くなったからこそ小説の間口が広くなったことも事実で、いままで読まなかった層が流入しているのだとすれば、むしろ歓迎するべきことなのかもしれません。

いずれにせよ時代の変遷に適応するのは、どのジャンルでも必須なことなので、闘うしかないんですよね

長レビュー失礼しました。色々考えさせられたので☆☆☆です。