ドア・イン・ザ・フェイス
結騎 了
#365日ショートショート 339
「すごいね、今期も営業成績が首位だったみたいじゃないか」
「いやいや、それほどでも」
「なにかコツでもあるのかい」
「ではこっそり教えよう。相手にバレないように、こっそりとこの手法を使っているんだ」
「おっと。聞かせておくれ」
「ドア・イン・ザ・フェイス、と言うんだ。最初に大きな条件をふっかけて、相手に断らせる。相手は断った罪悪感があるから、その後に提示された小さな条件をつい飲んでしまうという訳さ」
「なるほど、素晴らしい!」
「さっきも言った通り、この手法を使っていることが相手にバレないのが肝心なんだ。ここが重要。さらっと会話の中に織り交ぜていくのさ」
「私が担当のクレーマー顧客も、その調子で上手く対応しておくれよ」
「なに言ってんだい、君が担当だろう。自分で頑張りな」
「そうしたいのは山々なんだけど、どうにも忙しくてね。今度の例のイベントも、受付をやってくれる人が見つからなくて」
「仕方ないなあ。よかったら手伝おうか」
ドア・イン・ザ・フェイス 結騎 了 @slinky_dog_s11
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます