廃都
梦
廃都
焼け焦げて煤の漂う故郷の街並みから誰かの声が返ってくることはなかった。
炎を逃れるように天高く飾られた旗でさえもその下半分は真っ黒に焦げていて、
はためく度に燃えかすを私の頭上にパラパラと落としていく。
中央の広場にはまだ火が燻っていて風を受けるたびにボウっと大きく燃え上がる。
兜の格子の隙間からその光景を眺めていた。
焼け焦げて煤の漂う故郷の街並みから誰かの声が返ってくることはなかった。
廃都 梦 @murasaki_umagoyashi
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