つなぐ水たまり

夏伐

水たまりの向こう側

 雨上がりの水たまり、ぱしゃりと飛び込むとそこに反射しているのは私とは似ても似つかない幼い女の子の姿。彼女は私とは違って生き生きと楽しそうだ。

 これは噂で聞いた遊びだった。一定の所作をしてから水たまりに飛び込むと来世が見えるという。


 水たまりの中の私は、どんどん成長し幸せな一生を送っている。


 私は引き込まれるようにして、今度はビルの屋上から飛び降りた。

 欲しかったのはきっかけだ。


 けれども死にきれず、私は入院先の病院で一人の男性と出会った。

 そしてその人と結婚し、一人の女の子が生まれた。


 その子は、あの水たまりで見た女の子だった。

 その事に気づいたのは、この子が雨上がりにはしゃいでいた時。おかしなことを言ったからだ。


「ママ、水たまりに女の人がうつってる! ママにそっくりね」

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