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開封府、遥か遠く

開封府、遥か遠く

五色ひいらぎ

おすすめレビュー

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★★★
★44
15人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 四谷軒
    2892件の
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    ★★★ Excellent!!!

    北宋と南宋と金、その間(はざま)に――

    「水滸伝」の時代と申せば、ああその時代の出来事か、とうなずく方もいらっしゃると思います。
    その時代――靖康の変という中国史上の出来事があります。北宋という王朝が、金という王朝により都――東京開封府を落とされ、北宋は皇帝を始めとする皇族が連れ去られたという出来事です。

    そしてこの掌編が描くは、あるいは亡国の皇帝、あるいは再興の南宋の人々、あるいは……。
    たとえて申さば、それは――治乱興亡の間(はざま)に揺らめく、燭台の火のようなもの。そして、そこに垣間見える人々の想い……。
    哀調漂う掌編ですが、切々たる哀愁を、朗々と歌い上げるようなその描写には、うならされます。
    嗚呼――と。

    ぜひ、ご一読を。

    • 2022年12月15日 06:03