本作は「家族の絆」をテーマにしたヒューマンドラマです。子どもの頃に抱いていた父親への畏れ、恨み。そんな感情に対する主人公のささやかな復讐は、無力だったという己の「後悔」から生まれた行動であり、母のかたき討ちでもあったのでしょう。物語の結末は、新たな「後悔」を生みます。しかし、それは改めて家族の絆を深めることにもなるのでした……。また、物語の軸のひとつでもある「介護」とは、終わりのない旅路のようなものです。こんな時代だからこそ、多くの人に読んでもらいたい物語だと感じます。
実体験とお話がリンクしてしまい、耐え切れませんでした。これは、大人にならないと分からないかもしれません。恋や愛を越えたその先に有る物語です。参りました。
詩人ジョン・キーツの墓碑銘には「水に記すべき者」とだけ書いてあるそうだ。そんな事をつい思い出してしまう作品です。
歳を取ってくるに従って誰もが必ず心の隅に思うでことだろう母親の思いを胸に旅をしている途中で知り合う老夫婦に重なる想い主人公になった気分を味わった涙せずには読めない作品終盤にさしかかり真実を知って再び感動し涙した。私はこの作品を読んで泣きっぱなしとても素晴らしい作品です