in the Mirroring World

I'TS NEW ME!

　目を開くと、私は鏡の前で座り込んでいた。あのあべこべな世界は、もしや夢だったのかもしれないと思った。ぼんやりとした中にある写真を撮った記憶にたどり着き、私は写真のフォルダを開いた。

　果たして、あの夜空と水面に映る昼空の写真は見つかった。とは言ってももちろん一番最近の写真なのだから、果たしてと言うのは違うかもしれないが。

「……シロがいない」

　結局、シロの存在は一体なんだったのだろうか。だがまあ、こうして戻ってこられたのはシロがいたからだ。きっとこの写真を見るたびにシロのことを思い出すことができる。

　私は、あの不思議な世界でなんだかついた自信を胸に、勢いをつけて立ち上がり、よし、と小さく呟いた。