第60話 クリスマスの発覚! アクアの決意と、新しい始まり!


 12月25日。

 楽しいクリスマスパーティーも終わり、雄星さんが2階の自宅へと戻ったあと。


「実は、みんなに聞いて欲しいことがあるの」


 私はみんなに残ってもらって、相談を持ちかけた。


「なぁに、アクアのお願いならだいたい何でも叶えるわよ?」


「さすがアクアちゃん大好きキララちゃん! でも、ワタシも同じ気持ちだよ」


「キララちゃん、コクリちゃん……」


「改まって言うってことは、結構大事な話でしょ? あたしさんたちで良ければ力になるよ」


「同じく。遠慮は無用」


「ネムさん、ミドリちゃん……」


「すぅ、すぅ……クゥも、きくよー……?」


「クゥちゃんも……半分寝てるけど」


 勇気を出した私の言葉に、みんな真剣な顔で応えてくれた。

 ここまでしてもらったら、もう言うしかないよね。


 最近気づいた、自分の気持ち。


「実は……」


「「「実は……?」」」


 私の、雄星さんへの想い。


「実は……私。雄星さんのこと、特別に好きかもしれないの」


 意を決して、口にした。


「これ、恋っていうやつ、かもしれなくて」


 雄星さんのことばっかり考えるのも、雄星さんの役に立ちたいって思うのも。

 雄星さんと一緒にいたいって思うのも、雄星さんには何だってされたいって思うのも。


 その言葉を当てはめた瞬間から、全部全部キラキラし始めて。


 だから。


「……私、雄星さんに、恋してる……です」


 私は自分の気持ちがそうだと口にした。



「「「………」」」


「?」


 私を見つめるみんなの目が、点になってた。



「え、え、えええええーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?」


 ただ一人、キララちゃんだけがとんでもなくビックリしてた。


「あ、ああああアクア! あんた、あいつに、雄星にこもがもがもが!!」


「ダメ―! キララちゃん声大きいー!」


「沈黙は金!」


 コクリちゃんとミドリちゃんに取り押さえられて、そのまま簀巻きにされて床に転がる。


 その様子に唖然としてると、ネムさんに声をかけられた。



「えーっと、今のが今回の相談?」


「え、あ、うん」


 頷くと、ネムさんは天を仰いでから深くため息を吐いた。


「え、今。今自覚したの? 今なの? えー、だったらあたしさんもうちょっと……えぇー」


「ネムさん?」


「あー、いや、うん。大丈夫大丈夫。そっかー、恋したかー。うん、うん、いいねぇ」


 な、なんか生暖かい目で見られてる!?



「アクアー」


「クゥちゃん?」


 呼ばれて見れば、クゥちゃんが眠い目をこすりながらこっちを見つめて。


「しってたよ?」


「………」


「クゥ、アクアがゆーせーすきなの、しってた。むしろー……」


「む、むしろ?」


「じかくしてなかったの、すごいねー?」


「はぅわっ!?」


 言葉の刃に、叩き切られた。



「いやー、でも、クゥちゃんの言う通りだよ? あれだけ好き好きオーラ出してたじゃん」


「うっ」


「我先にと同居して、独占欲メラメラ」


「うぅっ」


 だって、それは。


「雄星さんは私の使い魔に違いないって……」


「「普通はそんな勘違いしない」」


「はぅぅっ!!」


 改めて間違いを指摘され、私はその場にうずくまった。



「え、っていうかさぁ。あそこまで想ってますアピールやってて恋を自覚してないってあるの? 逆にレアじゃない?」


「前回の騒動からして、致命的な勘違いが起こってた可能性」


「むしろリリエルジュ的に想いが暴走してた案件?」


「ほら、アクアちゃん独力で変身魔法覚えるくらいクソ真面目だから、自分の発想の中に恋とかうわついたのがなかったんじゃ……」


「あうあうあうあう……」


 散々な言われよう。



「で、でも。もう自覚したもんっ!」


「あ、復活した」


「メンタル強くなったよねアクアちゃん」


「自覚したからには、宣言しますっ!」


 そう、大事なのはここからなんだ。


「私、雄星さんのことが好きです。だから、雄星さんを使い魔じゃなくて、恋人として一緒にいられるようにガンバりますっ!」


 ただでさえ、雄星さんには想い人がいる。

 だからこんなところで手をこまねいている場合じゃないんだ。


「だから、だから、雄星さんとの恋を応援してくださいっ!」


 言い切った。

 勇気を振り絞った。ほんとのほんとに振り絞って言い切った。


 そしたら。


「「「え、無理」」」


「へぁっ!?」


 みんな同時に、首を横に振った。


「だって、ゆう兄は……えーっと、ねぇ? えへへ」


「お兄さんと恋仲になることで得られる実践の機会はどれほどか。これは逃せません」


「正直、アクアちゃんがいまさらそれを言う程度なら、あたしさん的にはもう遠慮はいらないかなぁって……」


「クゥ、ゆーせーすき」


「ガーンッ!?!?」


 口々に告げられる宣戦布告に、私は膝を折る。


(仲良くなるだろうなって、予想はしてたけど、予想はしてたけど……!!)


 まさかみんな、そんなに雄星さんのことが好きになってたなんて!



「もごもご、もごもご!」


「ハッ! キララちゃん! キララちゃんは応援してくれるよねっ?」


 簀巻きになってるキララちゃんを助けて、問いかける。


「え、嫌よ?」


「ガーンッ!?!?」


「だってアクアには私の後ろにいて欲しいっていうか……アクア? 聞いてる? アクア?」


 私に味方はいなかった。



(やっぱり、あのとき……)


 ブライト様に、稀人レアブラッド認定をしてもらうとき。


「あのときの使命、私だけが受けたらよかったんだーーーーーーーっっ!!」


 今なら出せるあと一歩の勇気を出さなかったことを。


 私はとてもとても、反省した。



「ぅぅ、雄星さん、雄星さんっ。私、ガンバりますっ!」


 回り道してようやく灯った、本当の想いの明かり。

 私にとって希望になった、この想いを叶えるために。


「ホントのホントに、ガンバりますっ!!」


 私は強く、強く強く強く、決意するのだった。


 END

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ここまでの物語を読んでいただきありがとうございます。

異世界帰りのおっさんと、魔法の国からやってきた魔法少女たちの物語。

楽しんでいただけましたでしょうか。


もしよろしければ。色のついたお話ですが。

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私はこの作品が、一人でも多くの、こういった物語が好きそうな方に届けばいいと思っています。

もしもたくさんの応援がいただけたその時には、まだまだ描き切れてない伏線となっている部分や、雄星さんたちの新たな物語なども書けたらいいなとも思っています。


なにとぞご協力いただけましたら幸いです。

どうぞよろしくお願いします!


では改めて、この作品に触れていただけたこと、本当にありがとうございました!

ニチアサ魔法少女風深夜アニメ枠な現代ファンタジーハーレムラブコメ。

『異世界帰りの趣味人おっさん、魔法少女の師匠になる。』

これが貴方の心に少しでもキラキラが残せましたら、幸いです!!

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異世界帰りの趣味人おっさん、魔法少女の師匠になる。 夏目八尋 @natsumeya

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