言葉少ないながらに、迫力を持って歪な人間が転落していく様を描いた作品

淡々とした語りですが、だからこそ物語の展開やキャラクターから滲み出る歪な気配がよく伝わってきました。

嫌な人間が、実は手のひらで踊らされており、自身の言動により地獄へ向かっていっていた、と分かると、その語りの行間に大きな凄みが生まれます。
言葉が少ない、淡々とした描きかただからこその迫力がありました。

ラストの一文にも、怖さと小気味良さの両方が感じられます。
冒頭のシーンと繋がったカタルシスも相まって、非常にインパクトがありました。

とても面白かったです。

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