高1です。この問題の解き方を教えてください。
@neneha
鬱憤
日常生活を通して貯まる鬱憤や不満。
これは生きている限り多くの人間は逃れられやしないだろう。
だが、それから逃れる唯一の方法があった。
○
「あ~・・・・」
人気のない生臭い路地裏に、香月月は座り込んでいた。隙間から差し込む光の景色、それは定番の中世ローマ風。カラフルな頭髪の人々がレンガ造りの建物の間を歩いていた。
どうして自分がここにいるのか聞かれたらわからないとしか答えようがない。記憶はさっぱり抜け落ちている。目を伏せ、記憶を辿ってみても、最後の景色も思い浮かばなかった。まさに一瞬。
「おかしいな」
記憶を辿っていると、ある映像が自分の頭の中をかき乱した。
それを頭から追い出そうとするが、こびりついて剥がれなかった。仕方なく月は乱入してきた映像に集中する。
「・・・」
馬車的なものが地面を走っている。そこに赤い風船をもった緑のワンピースの女の子が走り出る。それを止めようと白い服の母親らしき人物が・・・・。
赤い鮮血が飛び散り、映像はそこで終わった。
なんとも言えない不快さと、不自然さが頭に残る。
不自然さといえば、まるで実際に目で見たような鮮明さと、自分の想像で映し出されたモノではないという点だ。
「なにこれ・・・」
不快さにため息を付きながらスカートについた砂を払う。
このスカートは超ミニスカで、月もプリクラを撮るような女子高生だった(ボッチプリ)。
そのとき。
「ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
悲しみの絶叫とともに、ぐちゃりとした音が聞こえた。
「なん、だ・・・」
さっき路地裏から見た景色に飛び出すと。
・・・・赤い風船を持った少女が、馬車的なものに轢かれて死んでいた。
「嘘だ、ろ」
鮮血が飛び散った母親が、少女を揺さぶっている。
頭の中で見た景色と、まったく一緒だった。
偶然だ。偶然でしかない。
そう自分を納得させ、その場から後ずさるように離れた。
その時だけならば、偶然で済ませることができたかもしれない。
逃げるようにその場から去る月の頭の中に、またあの感覚が来た。
突如映像が頭の中に映し出される。
映像の中で、雨が降った。人々は慌てて店の中や家の中に戻っている。
ぽたり。
月の手の甲に、一滴の水滴が落ちた。
厚い雲が青かった空を覆い、雨が降る。
「最近は降らなかったのに」「早く家に」そんな声が聞こえた。
偶然は、2度は重ならない。
これは偶然ではない。本心がそう悟った。
香月月は高校一年生で、メイクしたりおしゃれをしたりするいわゆる見た目だけは一軍女子、だった。
何故かこの世界に来てしまい、映像で予言する能力、のようなものを手に入れた。
この予言能力は雨のあとも何度か続き、これはよくある異世界転生と同時に手に入れるとくべつな主人公能力であると推測した。
この世界では文字読めないが不幸中の幸いか、言葉は通じた。
「そういったって、何もないまま暗くなってきちゃ終わったも同然だな」
元の世界のように治安が良いわけではなさそうだ。夜に通り魔に襲われても不思議さはないかもだ。
「夜にブラブラって・・。元の世界と同じじゃん」
鼻で笑い飛ばしながらまた違う路地裏に入る。
と、そこへ。
高1です。この問題の解き方を教えてください。 @neneha
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