悪霊を退治するクラブ活動という王道の設定でありながら、主要キャラたちがそれぞれ異なる五感を駆使して戦うという設定が新鮮で面白かった。
役割が明確に分かれるおかげで各キャラクターが立っているし、協力する必然性が生まれてくる。そういった面でも上手い設定だと感じた。
加えて、生き生きとした会話劇やキャラ同士の関係性も魅力の一つで、シリーズものとして連載したら関係性の変化も見られるのかなと続きを想像してしまった。
児童書だからといって、幼稚という訳ではなく大人が読んでも楽しめる一作。
ちなみに、角川つばさ文庫小説賞の最終選考に残った作品なので、クオリティは間違いないです。
『子どもの頃に夢想した学校を舞台にした大冒険』
この作品には、そんなあの日に空想した冒険がギュッと詰まっています。
主人公は、幽霊が見える男の子・若葉くん。
引っ込み思案な若葉くんは、能力は違えど、同じように幽霊に接することができる仲間と出会い、やがて「おそうじクラブ」として、校内での幽霊退治を行うことになっていくのです…
物語も良いのですが、若葉くんと個性豊かな仲間たちが、物語の中でとても生き生きとしているのが、私としてはとても評価が高いです!
彼らのやり取りはこの作品の大きな魅力のひとつです。
もちろん、登場する幽霊たちもまた魅力的ですよ!
タグにあるように児童向けなため、ドギツイ表現は皆無で、安心して読み進めることができます。
とは言え、子ども向けっぽい文章ではなく、物語としても高品質な作品のため、大人でも問題なくお楽しみいただける内容です。
ボリュームも丁度良いので、あまり構えることなく読み始められるのも良いですね。
幽霊、怪異、勇気、疑念、友情、そして対決。
はたして「おそうじクラブ」の行く先に何が待ち構えているのか?
それは、ぜひ皆様の目でご確認ください。
興味を持った貴方!
まずは読んでみましょう!