第4話 水晶による魔力検査

 実技試験の代わりの先生がすぐに来なかったので、昼休みが無くなり、昼食も食べ損ねてしまった。


 なんか色々あり過ぎて疲れしまった。これ魔力検査に影響出ないよね?


 この水晶の魔力検査は、学長室で学園長も立ち合いで行われる為、僕は廊下で待っている。というのもこの学園にある水晶は『十二色水晶』と言われ、12の魔石が入っている。


 そして、水晶の価値はこの魔石の種類の数と、より均一になっているかで決まる。  

 一般的に売っている高額なもので4色か6色だから、十二色水晶はもう国宝級だ。


 特にこの魔石を均一に『磨き』をするのが難しい。これは魔道具技師として、何十年の経験とセンスがあっても、難しいと言われている。


 でも、均一じゃないと光が分量の多い魔石に偏るので、判定が出来なくなる。僕はこの学園で、まず水晶の光で、魔力と属性を判定する『魔力鑑定士』になる必要がある。

 魔道具技師としての道のりは長くなるかもしれないが、頑張ろう。


 それにしても、十二色水晶を見るのが楽しみだ。

 かなり磨き込まれているんだろうな。

 どんな光を放つのだろう?


 早く見たーい!



 ボッカーーーン!! 



「キャー!! 水晶が割れたー!!」

「なんという魔力だー!!」

「まさか!? 全属性だとー!?」


「そんなに凄いことなのかしら?」



 え!? 割れた!? 

 えっ、ど、どういう事!? 割れた!? 

 あの十二色水晶が?

 あれ割れるものなのか?



「受験生の皆さん、水晶が割れてしまったので、今後の対応を考えますので、指示があるまで待機して下さい」



 本当に割れたんだ......。もう見ることが出来ないんだ......。

 くそーーー!! 絶望だー!!


 ああ、涙が出てきた。

 で、でも......。

 いつになるか分からないけど......。

 僕が十二色水晶を作って......。

 自分で確認してやる!! 


 絶対にだーー!!



「こんな水晶生成するのは簡単よ! 確かこのスキルを使えば......ほら」

「なにーー!? 割れた水晶の破片から、新たに十二色水晶を作り出しただとー!?」


「天才だー!! この受験生は天才だー!! 是非、先生になって欲しい!!」

「私また何かやってしまったみたいね」



 は? なになに? 僕の理解が追い付かない。



「受験生の皆さん、水晶は大丈夫になったみたいなので、このまま検査を再開します」



 帰らしてもらうわ!

 



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

どうもありがとうございました。


只今、美少女にされてしまったスパイが、異世界の魔法学園に潜入するお話を書いています。


もしよろしければ、こちらもよろしくお願いします。



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規格外!最強チート主人公から地味に巻き込まれるモブの僕 古手花チロ犬 @1033688

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