使い捨て小説 📔

上月くるを

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 日本列島に傘マークが並んだ勤労感謝の日。☔

 昨今、低気圧のときは決まって眠りが浅い。⛺


 ぼうっとした頭と重い身体で、まずは世間さまに言いがかりをつけてやる。(笑)

 働きたくても働けない人、当然とされがちな主婦労働への感謝も含んでいるよね。


 だいたいからしてねえ、もっと格好いい現代的なネーミングに替えたらどうなの? 大臣が更迭されたばかりの総務省さん……ストレッチをしながら悪態をついてやる。


 あら? いつの間にか画面はウェザーニュースからインタビューに変わっている。

 まあ、この方、お久しぶり、スキャンダルから立ち直ったんだね、えらいえらい。


 


     🎸




 例によってマスコミは「正義はわれにあり」みたいな顔で、さんざん追いまわし、人ひとりこの国で生きて行けないようにしてやるぞみたいな勢いだったけど。(-"-)


 一時期のポップス音楽界をリードした人物をみんなで叩きのめしたはずが、なんのなんのリングの底からみごとに復活したんだね~。少し老けたのはお互いさまだよ。


 その人に向かって女性アナウンサーが異なことを質問している。🎤

 「これからの抱負は?」って、この年齢の人に訊く? ふつう。🧃




 ――使い捨てにされない音楽を創っていきたいと思っています。(´ω`*)




 え、え、え、え……テクノポップの先鞭をつけた人が、いまごろ、それを言う?!

 しかも、これ以上はないほど生真面目な表情で、口許も、眸も、真剣そのもので。


 習慣になっている胸と背と脇腹のストレッチをしながら、思いきりびっくりする。

 同時に深々と首肯……クリエイターが行き着くところはみんな同じなんだよね~。




       🍹




 日頃から橙子が残念に思っているのはデジタルを拒否する上の世代の決めつけ方。

 さすがに口に出しては言われないが、紙の本に比較してネット小説をナメテいる。


 でなければ「カクヨム……だっけ? あなたが書いているの印刷してくれない? わたし、そういうのやらない人だから紙で読みたいの」そんな浅慮は言えないはず。


 いろいろ面倒だから(笑)リアルな社会にペンネームを披露するつもりはないが、それにしても、いかにも侮蔑的なニュアンス口調、気づかないとでも思ってんの?


 一般の人から見たら物書きとは言えないモノカキかも知れないけど、末席には末席の矜持があり、書くにせよ、読むにせよ、部外者が踏みこめない聖域があるんじゃ!


 たとえネット海の底に沈んでいるように見えても、絶対に使い捨て(読み捨て)にはさせない意地と愛情とをもって書いている。そのことを次回はきちんと告げよう。


 えいっ! 空手の正拳突きに移りながら、橙子はいつもより大きな気合を入れる。

 窓外の雨はいっそう激しく降って来たようだが、なあに、明日はきっと晴れるさ。




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