赤字国債は日本国民の借金ではないって本当?

カイ.智水

赤字国債ってなに?

赤字国債ってなに?


 皆様はニュースなどで「赤字国債」についてお聞きになったことがあると思います。

 ですが、正しい認識をしている人は人口の5%もいないと思います。





赤字国債1000兆円は国民の借金という嘘

 現在日本政府の歳出を支えているのは「消費税」と「赤字国債」です。

 消費税は日本で消費をすれば、必ずそれに付随してくる税金ですので、「今日もこんなに税金を払ったのか」と納得する人もいますよね。

 しかし「赤字国債」はよくわかっていない人が多いのです。


 そもそも赤字国債とはなにか。

 グーグル検索をすると次のようにヒットします。

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赤字国債(特例国債)は普通国債の一つで、普通国債には他に建設国債がある。 赤字国債は、特例国債法に基づいて歳入不足を補うために発行される国債のこと。 1965年度に戦後初めて発行され、1975年にも石油危機に端を発した景気低迷への対処で発行、94年度以降は毎年発行され続けている。

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 とあります。

 この文章のどこにも「赤字国債は国民の借金である」などとは書いてありません。

 ではなぜ「赤字国債」が「国民の借金」と認識されているのでしょうか。


 政府が発行する赤字国債は、歳入の根拠なく歳出にお金を使うために、誰に返すでもない国債です。しかし現在では金融緩和政策のため、日本銀行が全額買い取っています。

 日本銀行は返してもらうあてのない赤字国債を抱えていますが、通貨発行権を持っているので、いくらでも一万円札が刷れるのです。こうして市場には今までよりも多くの円通貨が出回り、インフレーションが進んでいくのです。


 赤字国債は「いつか政府が返さなければならない借金」と認識されています。

 だから借金を充当するために「税金」を上げて補填しようというのが現時点での財務省と日本政府と経済アナリストの大半の認識です。

 だから「赤字国債1000兆円は国民一人当たり833万円の借金と同じ」「現役世代のツケを未来世代にまわしている」と揶揄されるわけです。


 これは本当でしょうか。


 実はこれ、財務省が主導し、日本政府が追認し、経済アナリストがさもそうかのように装っている「詐欺構文」なのです。

 本来の「赤字国債」を単に「未来の税金で充当するから借金だ。だから国民は一人当たり833万円も借金しているんだ」と認識させられているにすぎません。


 赤字国債は、国の歳出を賄うために日本政府が発行する債権であるのは間違いありません。

 しかしそれがイコール「国民の借金」ではないのてす。


 バランスシートの概念を使えばすぐにわかります。





赤字国債は日本国民の借金ではない

 なぜ「赤字国債は日本国民の借金ではない」のか。


 実は日本国民が持っているのは「借金ではない」のです。日本政府にお金を貸している、つまり「貸し方」なのです。赤字国債は日本国民の「貸付金」であって「借入金」ではありません。


 赤字国債は日本政府が「将来の税金から借り入れているお金」です。

 つまり将来の私たちから借りているわけですよね。

 だから赤字国債は「日本国民の貸付金」とも解釈できるわけです。


 「将来の世代が支払わなければならない国民の借金」と喧伝しているのは、消費増税したい財務省とそれを追認している日本政府にすぎません。

 本来は「国民が日本政府に貸し付けている貸付金」であって借金ではないのです。

 日本政府は「赤字国債を発行したら、日本国民から借金をしている」のです。

 しかし日本国民に真実を知られると「金返せ」の大合唱が起こるだろうから、「赤字国債は国民の借金」と詭弁を弄しているのです。


 では「赤字国債」はどうすればよいのでしょうか。


 「赤字国債」を当初発行した頃は、公共事業などを通じて国民の利益を創出して国民に利便性を提供していました。

 しかし、現在では商社や電通などの中抜きが横行していて、「赤字国債」が本来持つ「国民の貸付金」をそれらが吸い取ってしまっているのです。

 肝心の貸し方である国民には商社や電通などが上前をピンはねした残りがまわってくるだけ。これでは国民としても「貸付金」を返してもらっていない感覚に陥ります。

 これが「赤字国債は日本国民の借金」という詭弁が入り込む余地を与えています。


 日本国民は中抜きしている商社や電通などの業者から、本来とるべき「貸付金」を正当に回収する権利があります。だって赤字国債は「債務」であり、であれば「債権」が存在するからです。

 商社や電通などだけが「債権者」ではありません。

 日本国民全員が「債権者」なのです。



 ここまでの説明で「赤字国債は日本国民の貸付金」であることがわかったと思います。

 「赤字国債」は「借金」で「日本国民が将来支払わなければならないお金」ではなく、「貸付金」で「日本国民が将来取り戻さなければならないお金」なのです。


 この真実を知られないようにするため、財務省は日本政府や経済アナリスト、マスコミを利用して「赤字国債は日本国民の借金」という構図にして、自分たちが利益をせしめようとしているのです。




追記2022/11/23 11:48

 ちなみに日本政府が「赤字国債はまったく返しません」と宣言すると、本来の債権者である日本国民はなにも手に入れられませんが、なにかをとられることもありません。

 単に「日本政府の信用が落ちる」だけです。

 これが「赤字国債」の最大の利点でもあり、欠点でもあります。


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 と、このような小説のタネを思いついたのですが、需要はまずないですよね。

 ですが「赤字国債は日本国民の貸付金」という概念だけでも小説に使えないかなと。

 「探偵もの」の第二弾にでも織り込んでみましょうかね。



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