出来損ないの旅路

@masanekomaru

第1話 捨てられた赤子

赤い月が昇る日、年に一度あるかどうかの大嵐が村を襲っていた。外を出歩く人は1人もおらず、皆嵐が過ぎ去るのを願った。


そんな嵐の夜に、村の門を閉めに行った村長グランベールは門の近くに赤子が捨てられていることに気づいた。

その子は日焼けをしたかのような黒い肌に、色が全て抜け落ちてしまったかのような真っ白な髪…月のような金色の瞳をしていた。


この世界では魔法は全ての人間が平等に扱えるもので、皆等しく魔力を体内に持っている。

だが出来損ないの主人公 クロエは違った。

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