第10話 それから
わたしは退屈な世界史の授業を受けていた。一つだけ空いた席がある。
そう、お姉ちゃんの席である。
あれから、お姉ちゃんは元の姿に戻り中等部で数学を教えている。
……。
何か足りない気持ちは贅沢なのであろうか?わたしは廊下の先にある鍵のかかったベランダから叫びたい気分であった。世界史の授業が終わると、のそのそとベランダの前に行き、カラスのドアを蹴とばす。
ガツ!
足が痛いなーーー。アホなこと止めて教室に帰ろう。
すると、幼女化した、お姉ちゃんが自分の席に座っている。よく見ると、あかねも幼女化している。
「は、は、は、どうですかね、慶太ちゃん」
そう言えば、あかねが村の青年団とこそこそと話していた。
「そうなのだ、幼女化の秘術を教えて貰ったのだ」
自慢気なあかねがお姉ちゃんと自分に幼女化の秘術を使ったのだ。わたしは少し嬉しかった。
しかし……。
「慶太ちゃん、このスタイルの方がいい?」
お姉ちゃんの言葉に、どのスタイルだと言いたいが、日本語の難しさに難儀ずる。
「二人はそれていいの?」
わたしの問いに二人は小首を傾げる。
「放課後まで待ってくれないか?」
お姉ちゃんが難しい顔をして自分の席に戻る。
ま、酒もタバコもしない、お姉ちゃんなら幼女化しても問題ない。
その後も授業が続き、やがて放課後になる。わたしは文芸部の部室で二人を待つ。
このドキドキ感は何であろう?二人が幼女ならいいなと期待感があったのだ。
そして、部室の扉が開く。
そう、ここからはまた別の物語である。
拝啓、幼女になったお姉ちゃんは好きですか? 霜花 桔梗 @myosotis2
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