第2話
「宗教ぶっ壊せってなんだよ。物理的にってことか? 」
「よくあんな暗く死んだ人がそんな口調で喋れますね…」
まあいいですけどと女神は後付けし、スラスラとまるで台本を読むように説明を始める。
「まあ物理的に、ですね。詳しく内情を説明しますと…」
彼女曰く、自分が女神として支配…というか統治している世界の女神がもう少しで交代らしい。交代の時には必ず民衆の記憶を消すと言う作業を行うのだが、信仰心が強すぎてその作業だけでは記憶が消されない可能性があるらしい。その上最近は少ししか信仰心がないものを殺し狩るなどという犯罪行為に手を染めているものもいるらしい。普段ならそのくらい下の人類に任せるのだが、交代時にどのくらい治安がいいかで今後の彼女の階級も変わるらしく…
「まあ直球で言うと」
「皆殺しにしろってことですね! 」
(満面の笑みで、大きな可愛い声でその上さらっとえぐいことを…)
やれやれと頭を抱えながら冷や汗をかく。
「で?もう死んでいる俺にどうしろと? 」
「その前に突っ込ませてくださいよ、なんであんな暗い死に方してんのにこんなとこで冷静なんですか!? お、おかしいでしょ…」
どんどん会話が別のところに飛んでいく。
…案外相性よかったるするのだろうか
「いや、今まで人と全く話してなかったから開花してなかったコミュ力という名の才能が爆発したのかも」
「いやそこそんなふうに答えないでください。反応に困ります」
「いやお前が聞いてきたじゃん」
「お前…………? 私は女神ですが…? もしかして死にたいんですか…? 」
その後も前回と同じく同じような会話を繰り返したという。
なんとも恐ろしいものだ。
「じゃなくて! いや、あのさ。話聞いてる? というかもうキリないからもう一回最後に説明するかんな? 」
女神は青年に紙を渡した。
『◯任務説明書
あなたにしてもらう仕事は女神 アレス•ミイアムが司る世界の宗教の壊滅です。任務内容は口頭で説明します。
特に巨悪な犯罪を犯したものから順に殺害を命じます。1人達成するごとにミイアムから神託が降り、新しい殺人の命令が下されるでしょう。
ミイアムが司る世界には、今から転生というひとつの儀式を行い、新しい肉体の下、任務に臨んでいただきます。スキル魔力体力等は勝手に決めさせていただきます。
女神 アレス・ミイアム 』
「…?転生ってなn」
「では!いってらっしゃいませ〜」
そう言うと、ミイアムは青年の背中を押し、湖の中に溺れさせるように押しつけた。
その瞬間、青年の視界から全ての景色は消え去った。
綺麗な女神様は殺人を命令してきました。 にゃん!(=^・・^=) @nya-nn
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