民俗学ゼミの調査班は、秘祭の撮影のために限界集落へと向かう。
作者様によるキャッチは「祭り、性愛、共食、贄」。調査に向かった面々が無事で済むはずがありません。
調査メンバーの内面、限界集落での秘祭、深まる狂気。至る所に種々の「人間として越えてはいけない一線」、「禁忌」があったように思います。
実在する儀式や類型などを絡めながらのストーリー。しし鍋や出てくる小道具、村人たちが互いを「○○の誰々」と呼びあう様。そういった細かいところにまで行き届いた描写からは民俗学、限界集落らしさ、作者様の知識の豊富さ等を感じました。
本来プラスと捉えられるであろう「欲」にまでゾクリとできたのが印象的でした。
良い意味での気持ち悪さがあり、それがきちんと繋がる・軸となっているホラーだと思いました。
そこから感じるのは醜さか、美しさか、それとも……。