『中身はダンディなオレなんだがな』(作中より抜粋)
自国内での争いにて、騎士団副団長同士の一騎打ちで敗れた主人公ジェリド。(お互いに面識あり。のちに関係性が描かれる)
……ですが……なんと相手の美少女(24歳年下の17歳)の中に精神が入っちゃっうんですよ〜。
さらにうさぎの縫いぐるみへと精神吹っ飛ばされて、動けるもふもふ「ラヴィたん」として生活したり。
また、身体の持ち主セシリアの精神とコンタクトが取れなくなり、中身は主人公のままセシリアとして、彼女を救うべく問題解決に乗り出したり。
主人公は口が悪いから、可愛いものの中に居るのが、なんとも珍妙でおかしくって。
そして男も惚れるような、清々しい漢気溢れる人物なんです!
また、少女たちとの心の触れ合いに父性はあってもエロはあらず。
バトルシーンはスピードに溢れ、かつ理解しやすく書かれており、物凄く「上手い!!」
コメディタッチでノリ良く読めるのですが、登場人物の心理や風景など丁寧に描写されていて、「いろんな人生を積み、いろんな小説を読んできた大人の作家が描いた作品」として、非常に深みを与えています。
作中内に沢山挿絵があるのも魅力のひとつ。
どれもこれも作品のシーンが具現化されており、色合いと表情が素敵なのです。
ぜひ皆さまもご一読あれ!!
「はーい! もふもふのぬいぐるみ、ラヴィたんだぜぃ!」
「可愛いラヴィたんの姿で、むっさいおじさん喋りしないで!」
金髪美少女が怒って叫ぶ。
そんな軽快なコメディタッチ。
美女のぷにぷにの……、ウォッホン!
まあ、お楽しみ要素も少々ありつつ、
指輪の謎。
腹黒い上司との戦い。
王都に押さえつけられた領民を解放するための戦い。
と、話は骨太なのです。
そして特筆すべきは、主人公の中年男性のかっこよさ。
剣、魔法、強いです。
だけでなくて、飾らない性格なのに、すごく、心が綺麗なんですよ。
美少女セシリアの事を、すごく気遣って、気遣って、嫌がる事はしないように、存在を守りたい、消えるなら俺のほうだろ、って思ってる。
側仕えの13歳の少女、アイラのことも、まるで娘のように、守りたい、と思ってる。
あーんなの。こーんなの。
あるのに、この主人公、全然、「いやらしい」妄想の目線で、女性を見ないんですよ。そのかっこよさに、私は読んでで慄きました。
心理描写も、とても丁寧に描かれていて、バトルも面白いです。ぬいぐるみはもふもふで可愛いし、男女、どちらの読者にも、間違いなくオススメできます。
ぜひご一読を!
同じ国内で争う2大勢力
北に構えるはギルーラ王国ダンバー子爵領騎士団、南はギルーラ王国騎士団。
両陣営の争いは、王国騎士団副団長 セシリア・アルデレッテとダンバー子爵領騎士団長 ジェリド・スクワイアの二人の一騎打ちに託された!!
この戦いで破れたジェリドの精神がセシリアに憑依するところから物語は始まる。
40すぎのおっさんが17歳の少女に憑依!? と思いきや、ジェリドの精神はぬいぐるみに押し出され、セシリアとぬいぐるみラヴィたんのバディが爆誕する!
二人の天才がタッグを組んだ冒険譚!
ちょいちょいお笑いパートも挟まれて軽く読めるが王国の陰謀や魔獣との戦闘など本格異世界ファンタジー要素もふんだんに盛り込まれ、読み応えがある!
主人公とヒロインの血生臭い死闘から始まる物語ですが、主人公の性格もあって戦闘の緊迫さと日常の緩さが両立している良作です!
一騎討ちの結果として、そもそもの原因をさぐるべく共闘することになるのですが、設定が上手く機能しており単純な共闘というわけにもいかず、うまい具合に枷をはめたような印象を受けました。
この騒動の原因となったリングは言い伝えと実物の性能がすでに異なり、これから探っていく中でも新たな事実が待ち受けていることは必須です!
二人三脚で謎に迫っていき、最後は無事に呪縛から解き放たれることができるのか・・・そして解き放たれた後、冒頭での決着通りの結果に戻るのか、そんなところも気になる共同生活をあなたも覗いてみてはいかがでしょうか!
若い女性騎士の肉体に、熟練戦士の精神が宿ることになった物語です。
ただし若い女性の肉体なわけですから、熟練戦士が同居することはセクハラ一歩手前なので、早々に追い出されてうさぎのぬいぐるみに宿ることになります。
そもそもこの二人、一騎打ちにおける勝者と敗者です。別の言い方をすれば、殺した方と殺された方なわけですよ。
そんな二人が、なぜ死んだはずの熟練戦士の精神が、若い女性の肉体や、ぬいぐるみに宿ることで残存しているのか調べていくことになります。この異常な状態を解消するために。
謎解きのヒントは、女性騎士が装備している特殊な指輪です。
詳しい原理は不明ですが、この指輪の力が原因で、熟練戦士の精神は消滅していないようです。
なお女性騎士は、上司に命令されて指輪の正体を知らないまま装備していたので、このあたりを詳しく調べていくことになります。
しかしそれは、国家規模の陰謀に足を踏み入れる行為でした。
情報を掘っていくほどに、味方であるはずの騎士団も信用していいのかどうかわからなくなってきます。
それでも二人は、正常な生活を取り戻すために、あらゆる欺瞞や謎に立ち向かっていくことになります。
はたして二人は、国家の陰謀を解き明かして、元の生活に戻れるのか。それを見届けるのは、このレビューを読んだあなたです。