会社を爆速で辞めてはならない大きすぎる理由

朽木桜斎

みなさんも気をつけなはれや!

 転職に成功してとある会社へもぐりこめたものの、環境が合わないという理由からたったの3日で退職してしまったんです。


 内容については推して知るべしでございますが、われながら情けなくお恥ずかしい話であります。


 月初めの入社だったのですが、翌月になって給与明細が届いたんです。


 「いっそ給料なんていらんわ」とか、ぶつくさ唱えながらそれをながめていると……


 「給与額と控除額の差額」がマイナスになります。


 ……


 は?


 社会保険料から給料を差し引いたぶんの差額を支払ってね♡


 これは夢だ!


 本部が強いなんて!(コラ)


 こんなふうにして、わたしは一時脳がラリったわけなのであります。


 少し落ち着いてからネット等で調べたところ、これは社会保険労務の専門用語で言うところの、「同月得喪どうげつとくそう」というものらしいのです。


 かみ砕いていうと具体的には、「たとえ会社を爆速で辞めようが、社会保険料は一か月分請求するでえ」的な内容なんだとか。


 おそろしい制度があったものです。


 社会保険料(控除額)の内訳としては、「雇用保険料」「健康保険料」「厚生年金保険料」と、わたしの場合は「介護保険料」を含む4項目が記載されておりました。


 人によっては「所得税」や「住民税」が発生する可能性もあるようです。


 この辺から、わかる方にはわたしの人となりがモロバレしてしまいそうですね。


 しかし国とて鬼ではないようです。


 翌年の確定申告を経てからの話かと思われますが、還付が発生する可能性があるそうです。


 そんなこんなで口座の残高を見つめながら、しょぼくれるわたしがいるのでした。


 今回は注意喚起としてこのエッセイを書いてみましたが、みなさんにおかれましても、どうかじゅうぶうにお気をつけください。


 マイナスになる時点で辞めたらアカンということですね。


 短気は損気。


 昔の人は偉かった。


 そういうわけで、いい年こいて高すぎる社会勉強になった次第です。


 興味がおありの方は、主に社労士の先生が動画サイトにて解説をたくさんアップしていらっしゃるようなので、「同月得喪」で検索してみると良いでしょう。


 それではこの辺で失礼いたします。


 ではでは。

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