緑と赤の街

緑と赤の街

鉄に覆われたこの街は

夏も冬も

カレンダーの階段を下りる時も

決まって鉄琴の音がする

つうーんと頭のてっぺんを抜けた音は

同じく歩行者の頭蓋を通り過ぎ

それは正午のチャイムだってそうだった

10分おきの停車を待って

改札を出れば

大通りに出て

いつにもまして人が多い

というか潰れそうだ

「クリスマスを断固奪還せよ」

スローガンが

看板立てたフーリガンを

けしかけた！

冷え込む地面に耐えながら座る

ガシャンガシャンとフライパン

叩いて正義の歌を歌う

鉄壁警察の壁も負けない

PEACEの緑　着揃えて

じりじりとにじり寄り

遠めに見ればジリ貧の暴徒

一気呵成と声を上げ

火炎瓶を投げた

もみ合う両軍

熱と赤くなった床

緑の制服

その時

ぴたりと止んだ

「となり星のクリスマスで忙しくてね」

見上げれば

段ボールの雨！