情感溢れる言葉たちによって構成された、素敵な掌編作品です。
「素敵な」とは、実は「読者さんをどこにも誘導しようとしない」ということでもあります。矛盾するようですが。
たとえば「自分を見つめ直せ!」とか、「あなたにだったらこのくらいできる!」という「アグレッシブな言葉・感覚」が感じられないのです。
にもかかわらず、この心が軽くなる感じ、暖かいものに包み込まれる感じは一体なんなのでしょう……。
不思議でふわふわしているけれども、捉えどころがないわけではなく、確かに心に舞い降りてきてくれる。そんな言葉たちの穏やかな集まり。
きっと僕も、そして一度でもこの作品をご覧になった方々も、また帰ってくることでしょう。
著者様には、心から御礼を申し上げたいと思います<(_ _)>