私にとってフランケンシュタインといえば、少女の頃に読んだメアリー・シェリー原作の『フランケンシュタイン』一択だ
神への挑戦として生み出されたこの人造人間には、かつて純粋な魂が宿っていたのに、心無い人間たちの仕打ちが、彼を真の怪物に変えてしまう
その原因となったのは、人造人間の醜さだった
この作品には、この世ならぬほど美しい人造人間が出てくる
その美しさ故に保護され愛される
ハッピーエンドの爽やかな読後感とは別に、この美醜によって、凶悪な犯罪者でもイケメンならファンがつくこの現代社会の歪みを考えずにはおれなかった
とまれ、この作品が完成度の高いミステリーであり、素晴らしい逸品であることは間違いのないところ
素敵なひとときをありがとうございました
もちろんキックもアタックも電光パンチも、誰かの願いが叶う頃にあのコを泣かせることもありませんけれども、生み出された究極の理由は同じ。どこか当世にエピソード:0 的に、あのキャシャーンが三たび舞い降りた印象を受けてしまった異彩を放つストーリー。
まさしく刑事の足どりのごとき、実に淡淡かつ坦坦とした文章描写で展開されていく奇抜‐妙想なシーンによる連打。
この精美なフランケンを造りあげた本当の怪物の正体は果たして? おそらく、フツウの人類ならば誰もがフツウにもち合わせているはずのアレ、それが、極まり尽くして、壊れた時に――
その時、あなたもきっと心底から望み願ってしまうことでしょう。
読んで確かめて御覧なさいな。
意表なくらい意外なエンディングが救済してもくれますよ……。