第46話 着想とイメージ-日常短編小説編-
今月は神明社短編、阿佐ヶ谷の続編と船橋の新作をアップした。なのでこの二作品の軽い解説と創作背景を自己分析って感じで行きたい。
まず阿佐ヶ谷の作品。これの第一話は加佐子が病気の父親を抱えて、かつての恋人純夫に会いに行くという話だった。その続編は純夫の幼馴染み、もう一人の登場人物、真珠にスポットを当てて大金持ちから庶民へと変化した彼女の物語を描いている。
こちらは足長おじさんモノに近いストーリーだ。名作文学へのオマージュ的。なので名作小説にも、映画にも、マンガにもよくあるパターンのお話。文学作品の王道要素を拙い僕が、未熟な自分流で描いたモノ。少しだけ現代風に、身近な町に置き換えてのチャレンジである。
真珠の父親に世話になった遠縁のIT起業家、岩志の登場で、彼女は難を逃れて、細々ながら何とか暮らしていけるようになる。第一話ではスーパーマーケットで健気に働く真珠しか登場しなかったが、彼女がそこに行き着くまでの時間を続編では描いている。
次の船橋のお話は完全に少女マンガへのオマージュだ。とりわけ、展開でいけば一九七〇年代後半から一九八〇年代初め頃のプロットっぽくしている。用語やガジェット、アイテムもマンガに関するものを軽くちりばめた。だが作品の舞台は令和の現代である。言葉も今風にするため調べた(笑)。
軽く説明を入れると、主人公の戀、友達である里海、彼女の彼氏である浜地、そしてその友人の及川に主人公の戀が恋する話。奥手でモジモジするドジな主人公が、何でかその友達の彼氏の友人と恋に落ちて上手くいくというもの。ウチキで十人並みのルックス、何の取り柄もない、目立たない女の子が何故か意中の相手と恋愛成就していく。それこそマンガの様なお話。『昔ありがちだった』とか『懐かしい展開』と思って頂けると嬉しい。
他にも僕の引き出しには、学校の廊下や通学路で憧れの王子様男子に出会い
普段はドタバタと理詰め展開の多い僕の素人小説。いつものこれらは人間愛、叙情感、コメディマンガや青春グラフティー、SFモノのノリだが、たまには女性向けマンガの要素を入れるのも楽しいなと思い、実験的に書いてみた。結構古い少女マンガの物語要素って、時が経っても古く見えないな、と自己分析。ご都合主義で現実味は乏しいかも知れないけど、今でも書き方ひとつで楽しい世界観になる。きっと源氏物語の時代から恋は人間の本質の一つなのだろうな。僕が言っても説得力ないけど(笑)。
ついでに僕の力量不足を自己分析すると、ちゃんとした「どストライク」の連続モノのラブコメが描けない理由について。
例えば、一回のエピソードでファーストネームで呼び合う仲になるために、一回のエピソードをまるまる使ったり、手を繋ぐまでの過程でやはり一話分使ったりと、じらしながら他の描写で時間を稼ぎながらちゃんと物語を持って行き、ちゃんと飽きさせないガジェットを出せるなどと言う神業は僕にない。だからどストライクの推理小説とラブコメ恋愛小説を書く人たちをある意味尊敬している。
理詰めと答え合わせの物語しか作れないからだ。簡潔に言えば、帰納法、演繹法とそのパラメーターたる推理布石だけでなんとか物語を練り上げているぶきっちょな紬手である。だから恋愛過程や相手の振るまいを布石に使うラブコメは書いていて自分でまどろっこしくなる。それが毎回、何度も、となると手なんて普通に繋げば良いじゃない? と脳内で思ってしまう。その過程を楽しんでいる読者にとっては重要なファクターだ。そんなことで、じれる僕はもうおじさんだな(笑)。でも若い頃からそういう思考回路だったけどね。
一九八〇年前後。沢山の読み切りが盛んに掲載された時期に、拾い読みして、手に取れる場所にあったマンガのあの頃のあの雰囲気を、ちょっと今回の二作品の中に、特に後者には沢山織り込んだ。思惑通り、作品にそれらが活かされているといいのだけれど。読者の方々にはどう映るのだろうか? 神のみぞ知る。
昨日は五時に寝落ちしちゃった。今日こそは大相撲視るぞ。そして時間が出来たら夏以降に国技館久々に行きたいなあ。ではまた。
若者街の神明社-恋と御縁の浪漫物語・阿佐ヶ谷編-
七夕飾りが道開く時-庶民になった真珠-
https://kakuyomu.jp/works/16817330650766477754/episodes/16817330656460700193
商店街の神明社ー戀の願いと初詣
https://kakuyomu.jp/works/16817330655275102776/episodes/16817330655275264774
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