向日葵

 真夏の出来事。その道は畑と発電所の間に軽トラが通れるほどの小さな道があった。その道を通ると帰りが早くなるからよく使ってた。んでその道は人通りは昼間こそそこそこいて、夜は誰も通らない寂しい道だった。街灯もないから懐中電灯や携帯の灯りがないとちょっと厳しいって感じで、そんな道を昼間よく使ってた。

 ある日、塾の帰り道でこの道を使ったんだけど、そうしたらなんか背後に妙な気配がしたんだ。振り返りたいけど怖くて振り替えれないんだ。なにか背丈が大きい男に背後にいる感じでとてもじゃないけど怖くて振り向ける勇気なかった。けど、周りに助けを求めるほど人気が珍しくなくて、声を上げて助けを呼んだんだけど誰も来なくて。それで、勇気を振り絞って振り返ったんだ。そうしたらあったんだ。顔が。こちらに顔を向ける長い背の高いヒマワリがこっちを見下ろしていたんだ。

 それからヒマワリが大の苦手となった。もう見るだけで怖くて怖くて、しおれても花が咲いてもあの巨体を見るのは無理だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ちょっとしたお話 黒白 黎 @KurosihiroRei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ