第1章 第4話 瑠々「これからは幼なじみ同盟よ」


祈里が攫われて一日と経たない次の日の朝、僕の能力で生き返ったとはいえ、死んだ実感を痛感している母はまだ現実を受け止めきれていない。

祈里は攫われ、自らは死んでしまった、否殺されてしまったのだから。


瑠々は、特に変わらなかった、

(瑠々「祈里ちゃんの部屋借りるわね」)

と言いそこで寝ていたらしい。

僕が朝ごはんを作る羽目になったが今回ばかりは、文句も嫌気もなかった


雨は降り続けているようだ。






なんにも会話がなく、母の代わりに僕が妹の学校に休みの連絡を入れたが、学校側には休みとして受理されるはずが


おそらく、妹を攫った組織、そこが根回ししたのだろうか

休みだと言った時

職員「妹さん、英雄の素質がねぇ?」

なーんて言った時は、即ブツ切りしてやったわ

SNSもあるかもな、あんだけ拡散されたらいやでも分かるか


昨日懸念していた、SNSの問題は嫌な感じで的中した。僕と祈里に関する情報は個人情報の保護の観点から、ある程度規制されている現在でも、少しツイートの内容をぼかしたりして、規制を免れながら、日本、海外へと拡散された


それの影響か、滅多にならない僕のトークアプリは通知が溜まりに溜まりまくっている。


住之江からか。



住之江{おい!あのツイート見たけど、お前と祈里ちゃん、能力者なのか!?}19:55


住之江{おーい、どーなんだよ!}20:00


住之江{おい!}20:34




どう返せばいいんだよ?


そーだなぁ、


色麻{詳しいことは、話せない}


色麻{だから少し、待っててくれ}


こーでも送っとくか


まぁまず、この状況どーにかしねぇとなぁ





瑠々「一樹!あなたの部屋初めて来たけど、こんなにも綺麗にしてて、男の子って感じの部屋ね!!」


男の子だったらもっとなにかあるだろ、隠したくなるものとか


色麻「褒めてもなにも出ないけど、なんにもないけどな、散らかるものがない」


瑠々「これは....?」


色麻「・・・おい!それは!」


瑠々「やばい!この写真の一樹、ツツツかっわいいいいい!!」


色麻「おいおい、それ幼稚園の時だろ?」


瑠々「持ち帰っても良い?」


色麻「いいわけあるか、馬鹿」


チェ...なんて言ってるが、この家の人は写真を撮らないため残っている写真もそのくらいしかない

祈里の写真も当分撮っていない....

祈里がまだ小さかった時の写真くらいしかないと思うが....


瑠々「一樹」


色麻「んだよ?そんな神妙な面持ちで」


瑠々「昨日...そうね昨日の事だわ」


昨日と今日も分からんのかと思ったが、昨日の事があれば無理もないだろう


瑠々「祈里ちゃんの部屋借りていたわよね」


色麻「そうだな」


瑠々「あの部屋、あなたは迂闊に覗いちゃだめ」


どうしてだ?たかが部屋くらい別に


瑠々「たかが部屋くらいなーんて思ってるけれどねぇ、あの部屋は入らない方があなたのためよ」


色麻「それは...」ピンポーン!


色麻「誰だ?」


玄関のカメラを見ると

そこには


住之江が居た


色麻「なんであいつくんだよ!?学校だろ?」




住之江「開けろ!デトロイト市警だ!」


住之江「どけ...」色麻「ドアを蹴破ろうとすんなぁ!ーー」


なんでこいつが元ネタ分かんだよ!


住之江「出てきたか、俺に隠し事とはなぁ?」


これはどうしようもねぇなぁ....


色麻「はぁーわぁったから、雨も降ってるしとりあえず家入れ、外では話したくねぇから」


住之江「それで良いのだよ」


こいつマジで僕のして欲しくない行動を余裕でしてくんのすげぇな


瑠々「あら、お久しぶりね千春くん」


住之江「あれ?瑠々ちゃんもいんの?

やっぱ!お前ら付き合ってんのか?」


瑠々「そうそう」色麻「ないない」


住之江「はぁ?!俺に対する当て付けか?ここまで雨降ってたのによぉ!チックショーーー?!!?」


色麻「うっるさいわ!早く座れよ、母さん寝てんだよ」


住之江「おぁーーそれはすまん」


なんやかんやあってリビングに座り落ち着く事ができた

4人テーブルで

僕の対面に住之江、隣に瑠々と思って欲しい


住之江「本当にお前さ、能力者なの?」


初っ端から答えずらい質問をなぁ...


ここは少し濁して


瑠々「そうよ」


色麻「おい!?瑠々、何言ってんだ!」


瑠々「隠すことでもないし、隠してたっていつかバレるのよ?」


色麻「だからってなぁ」


住之江「瑠々ちゃんに聞いた方がはやいまであるけど、やっぱ隠してやがったな?俺を差し置いて」


キィーーーー!


歯ぎしりエグ

アニメかと思ったわ


瑠々「私は一樹の能力で命を救われたから、惚れてんのよ」


色麻「.....っはあ、もういいや」


住之江「さぁ!教えてもらおうかい、色麻くんよぉ〜手取り足取り君の能力について語って貰おうかなぁ?」


色麻「全部は言わねぇぞ?」


住之江「なんで?」


色麻「変にバレたくない」


これに尽きんだよ、仮に親友だとしてもな


住之江「この際いいや!ざっくりと教えてくれよ!」


色麻「僕の能力は"身体能力を上げる能力だよ"」


僕は嘘をついた。別に住之江を疑ってるわけじゃない、霧になって消えたあの女や他にも盗聴に向いた能力をもってる奴が居ないとは限らない、念には念をって奴だ


住之江「例えば、何だ?」


そうだなぁ例えばか、ここもって思ったけど、変に演技する方が微妙か


色麻「じゃあそうだな、瑠々を片手で持ち上げるよ」


色麻「瑠々、いいかな?」


瑠々「断る理由が特にないわ」


瑠々は椅子から立ち、片膝立ちの様な姿勢になった。


(能力創造)


new!10トンまでの重さなら重さを感じずに持つことが出来る

Lost!五体満足の状態に人を蘇生出来る



色麻「よっこいせっと!」


瑠々を軽々と持ち上げた色麻を見て、

住之江は


住之江「うぉ!ーー」

っと感嘆の声を上げた


住之江「俺じゃ持ち上げられないから、マジだな!信じるよ能力者って!」


色麻「信じられても困るが、まぁこんなもんさ」


瑠々「浮いてる気分だったわ」


色麻「そりゃよーござんす」


住之江「うんうんなるほどねぇ、あんま長くいてもしゃあねぇし、帰るとするかな?」


色麻「来る労力が凄いな、確かめる為に来たんだったらもっと有意義に使うことをオススメするぞ?その労力を」


住之江「あぁいいんだ、いいんだ。SNSの噂を聞きにしてきただけだしな」


住之江「んじゃトンズラさせて頂くわ」


色麻「雨降ってっから気をつけろよ?」


雨が少し強まっている

色麻「強いなぁ雨、驚く程ではないけど」


住之江「....」


瑠々「どうしたの?千春くん」


少し玄関でボーッとしている住之江に瑠々が投げかける


住之江「.....ん?あぁ!なんでもねぇよ?ちょっと考え事、あぁごめんじゃあな!おじゃましましたぁ!」


バタン!っと思い切り閉めて帰って行く住之江に

瑠々は目をかっぴらいていた。


瑠々「これはそうね、幼なじみ同盟でも作るかしらね」


色麻「何言ってんだよ、急に」


瑠々「いいえ・・なんでもないわ」


瑠々にしては珍しくおぼつかない顔をしている


なにかがおかしくなっている

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