第1章 第3話 後始末 その2

後始末に苦労するのは僕的にはいいイメージがない、なんてったって遺恨が残るし、やるせない場合が多いからなーんて、、


さぁどうしようかね。



祈里「私は!!」


バァン!


瑠々「祈里ちゃん?!」

色麻「祈里!!」


色麻「追ってくる!」

瑠々「私も行きます、すみません紫月さん!」


紫月「ちょっと! 私はまだ走れないかなぁ.....」










色麻「待ってくれ!祈里!」


祈里「"嫌だ"!!」


逃げている祈里のスピードが上がった?!


色麻「くっそ...」


これじゃ見失う!


あんま外で使いたくないんだけどなぁ。


能力創造


創造

時速60キロで走ることができる


現在

「五体満足の状態に蘇生することができる」

「自身に対するダメージは接している地面、壁に受け流される」

「時速60キロで走ることができる」


久々に走ったんだけど、まじで慣れねぇなぁ!

60キロ以上で走ってんのか分かんねぇけど、祈里に全然追いつけねぇ!


祈里が俺を拒絶しているから、俺が近づこうとすると、それ以上に離れている。

離れるために能力を使っているんだ!


色麻「.....っくそ、いつまで経っても追いつかねぇなぁ」


周り、だいぶ僕らのこと見てるな.....

バレるのか

僕達


でもそれでも妹を優先する!見失えばもう戻ってこない!


車と併走しているけど、なんら違和感が無くなってきた。

それは僕だけかもだけど


あの、標識は?


ここから500メートル先、S市港


S市港なんて、ウチからまぁまぁ遠いぞ?!


色麻「海?いやそんなことあるか?というかまぁまぁ海から遠いんだけどなぁ、僕の家」


潮の匂いが香ってきており、もうさざ波が聞こえるほど海に近づいてきていた


曲がり角で少し、ほんの少しだけ、妹を見失い、砂浜に足を踏み入れた時


色麻「結局砂浜まで来たけど、祈里はどこだ?」


見回すと、誰もいない海岸であり、少し寒さも感じる。


色麻「どこだ?追ってる時は見失なかったんだけどな」


彼以外に人影はなかった、彼は疑問に思っただろう、後ろを必死に追いかけていてこの砂浜に来るまで姿を捉え損ねることはなかった、それなのに妹が、砂浜にいない。


雨がまた降り始める


色麻「雨かよ、まぁ雲が流れてきてるから仕方ないな」


色麻「どこだ!祈里!母さんは怒っていなかったんだ!そこまで塞ぎ込むもんでもないんだぞ!」


.....と言ってみたものの、返事はない。


1人寂しく虚空に語りかけている、

ストレス発散にでもなっただろうか?

いや、ストレスは溜まる一方だろう。

これから能力を使った僕達兄妹はネットという無造作の海に放り出され、特定されて普通の生活が出来なくなるのだろう。

昔以上に拡散が早い。

能力は使わなければバレないが、

使えば直ぐバレる。

今までバレていなかったのが、恐らく


運がよかったのだろう。


だが、今日で、運は尽きたのか


そんなことよりも、祈里だ。


僕の最高で、最愛で、最推しの妹を探さなければ。


色麻「祈里!どこだ!」


こんな広い砂浜見逃すわけねぇのに。


なんでだ?


???「なんでだと思う?」


ゾワァっと、鳥肌がたった。


色麻「誰?!っ」


???「振り返っちゃだめ、ダメだよ。それは私が許さないし、お天道様も許さないもんね」


声が機械っぽいその女性?は語りかけてくる


???「動揺してるとこ悪いけど、私は機械じゃない、安心して?」


色麻「.....なんで、俺の考えてることがわかる」


少し無言の時間が続いた。

振り向かなくても分かる、キョトンとしているのだろう。


???「あなた、能力者じゃないの?だってあの娘のお兄ちゃんなんでしょ?」


色麻「?!?!おいあの娘って祈里のことじゃっ!」


???「だから後ろ振りむかえらないでって言ってるのにさ」


後ろを振り向かえられない、なんでだ?

体が動かない、前には行ける、

だか後ろに、右に、左に、斜めに、動こうとしても、動かない。

前に進むことだけできる。


色麻「何をしたんだ!?」


???「何かはしたよ?あなた能力者なんだから薄々感じて欲しいけど?」


そりゃそうだろな


???「まぁこれ以上話すことないし、本題にはいるね?君の妹である祈里ちゃんは、ウチが引き取ることにしたんだ、まぁなに、悪いようにはしないさ、私は女の子は大好きだからねぇ」


そりゃどうだろうか


???「考えてることが分かることを逆手にとって喋らないようにしてるのは、機転が聞くのかな?君は」


うるせぇ、喋る気力が起きねぇし、話聞いていた方が今は最善だと思っただけだ


???「うんうん、合理的な子は、総じて好きだけど、君はリアリストと言うよりかは、こんなこともあろうかと、なーんてくらい、想定通りみたいな切り替えの早さだね」


言っちゃわるいけど、いくらでも動けるからな?


???「それは無理さ、能力はぶつかり合うことはあれど無効化は出来ない、対抗策をねっても、非現実的な能力の方が、人智を超えてるんだ、一人間が勝てるわけが無いね」


ましてや、後ろを取られてる前提でってことか?


???「そうだね、大人しく妹と共に来てもらおうかなって」


さぁてどうしよか、別に僕は独りじゃないけどね


???「そんなこと..」


妹を、祈里を追っていたのは僕だけじゃない

彼女が居るじゃないか


???「彼女って....」


--..-.-.-ッス-----


???「何今の寒気?」


来たのかな、多分


???「まさか?!後ろに!」


瑠々「その話、楽しそうね」


瑠々「わ・た・し・も」


瑠々「マゼテ貰ッテもイイカシラ」


???「誰?!」


瑠々「後ろ振り向かえることは、推奨しないわ」


???「あなた、誰?」


瑠々「私のセリフかしらね、それ」


色麻「すまないけど、僕の後ろにいるのはお前じゃなくて、このヤンデレ野郎なんだよ」


???「ッつ!?.....フーン」


あっそ........今日は諦めるとするかな


瑠々「逃がすと思うの?」


ムリだね、君らじゃ追えないのさ


瑠々「消えた?」


霧状になり女は消えた


色麻「体が動くようになったな」


後ろふりむかえると、制服全てが一日では洗いきれないほど汚れていた


色麻「瑠々さっ?!」


瑠々「怪我は無い?、さっきの女は?なんで私を置いて行ったの?祈里ちゃんは見つかったの?祈里ちゃんは無事なの?」


色麻「最後の祈里に対する順序が違う気もするけど、無事かわからない」


瑠々「....そう」


瑠々「あの女も能力者なのかしら」


色麻「消えたの見ればそりゃな、今のをみれば、能力者は多分思ったよりもいるんだと思う」


瑠々「質問の回答になってない気もするけど」


いいわ、と瑠々は言った


瑠々「それでどうするの?」


色麻「どうするって?」


瑠々「祈里ちゃんをよ、探すの?」


色麻「今は無理だな、能力を使いすぎたし、何より情報が無さすぎる」


瑠々「無謀な捜索は」


瑠々・色麻「控えた方がいい」


そうね、彼女は言った


瑠々「雨降ってるわねまだ、」


色麻「晴れると思ってたんだけど」


瑠々「東にきたんだもの、雨雲もよってくるわ、そりゃ」


色麻「....なにか食ってくか?」


瑠々「随分、祈里ちゃんに対して後悔とかないのかしら?」


色麻「さぁ、今はなんかなにも考えられねぇわ」


瑠々「....そう、祈里ちゃんも残念ね」


どうしてだ?と僕は首を傾げる


瑠々「だって、あなたの気を引こうとしていたあの娘が、今のあなたは私の気を引こうとしているから、私の勝ちだわ、」


色麻「なんだよ...ッそれ」


瑠々「ともかく食べましょ、腹が減ってはなんとやら、ですもの」


色麻「りょーかい」


おそらく僕は

というか、瑠々はこの時、僕が錯乱しているのを分かってて、ご飯に行くことにしょうだくしたのだろう。

今の僕は危ないものだから


祈里は大丈夫だろうか、


そう考えながら帰路にたった



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