(閑話) 更新遅れ申し訳ないです(第7-2話に差し替え予定)

 すみません、カクヨムコンにエントリーさせていただいた本作ですが、エントリー後に昼の仕事場にてセクハラでは(たぶん)ないパワハラないろいろがあった関係でクリスマス・イブまでの拘束プレイを受けてまして、更新が滞ってしまってました。


 改めて更新を再開させていただきつつ、本作の前日譚の方は予定を変更して以下で公開していきます。

https://kakuyomu.jp/works/16817330651123500491



 以下はもう少し更新予定ですが、ここを超えれば、残りは割りといくはずですので、年末年始の更新の際に改めておよみいただけますと幸いです!


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 そこからは、帆花ほのかさんとナノカの姉妹漫才が始まった。

 ゲイバアな雰囲気の中で聞いた話のためなのか、まぁ面白かったのだが長くなるので要約だけにしておこう。

 

 化石人類が夢を信じるようになった8万年くらい前から、人類は夢魔リリスたちと共にあった、らしい。けれども、2010年頃にこの地球に夢魔リリスは存在できなくなった。なぜなのかはさておいた。

 それから20年ほど後、とある乙女座超銀河団有希が2歳児として現れた。

 そして、バラバラに分かたれ密やかに漂っていたストレンジ物資の欠片が集い出し……当時のコンピュータと融合し、人だった時の記憶を取り戻していったのだとか。そして、夢魔リリスが地球上に再び存在できるようになり……

 ナノカが言う。

夢魔リリスの影響下で私の自我が誕生したというわけ」

 

 ストレンジ物資の生命体、ナノカは作られた自我を持つ。

 

「もちろん、かつての私、凪沙野穂香なぎさのほのかの記憶も持っているのだけれど、暢気のんき君たちが持つような実感を伴わないのよね」


 記憶に縛られないっていうのはいいことなんじゃないだろうか。それに日の半分をVRMMOの中で過ごしてきた僕だって、記憶に実感なんてない気もするし。


 それよりも、と僕は聞いてみる。

「なんか、夢魔から生まれた自我にしちゃ、なんていうかまともじゃない?」


「私には、ゲームやアニメのヒロインの記憶が詰め込まれているのよね。小さなお友達のために戦わなきゃ、みたいな」

 ナノカは淡々と言った。

 

「あたいら夢魔リリスは、みんなの夢との共生体。今の世じゃぁヒーロー・ヒロインになりたいみたいな夢の方が多いのさ。それじゃ正統夢魔エロインは成り立たないから、ヒロイン系の夢は妹により分けて、と」

 帆花ほのかは両手でナノカに手渡す素振りをした。

 

 

「ソンナ成リ立チで、夢魔ティーナガ姉 ナノカが妹とナッタ」

 キンっという金属音と共に壁からちんまりと現れた旺鉄人形ナノが話を引き取った。


..ここから

「マァ 姉妹コントは コレクライニ サセテオイテ」


 ナノがそう言うと、またも球体が出現し、帆花ほのかとナノカをさっと隠した。


暢気ノンキノ質問 倥空こうくう母艦ガ地下ヲ移動してモ大丈夫な訳ダッタな 手短カに答エテオコウ」


 そうだ。倥空こうくう母艦とやらが浦和から越谷まで地下を移動したって件を問い詰めるはずだったのだった。話がブレブレするうちに忘れてた。

 

 ✧


 角の童女たちがいたさっきの地下室に、この謎のゲイバア。

 どちらも旺鉄ナノの体内のようなものらしい。

 ナノが倥空こうくう母艦と呼ぶ地下室は、地中の岩石だろうがマントルだろうがお構いなしに旺鉄のストレンジ物質に取り込んで分解する。で、後ろ側で岩石をスムーズに再生成するのだと。

 言ってしまえばリアル岩石のコピペにより、倥空こうくう母艦は、地下を潜水艦のように航行するのだ、と。

 さらには、内藤さん三世が、国から浦和-越谷ルートの内諾も取っているのだとか。内藤さん、何の三世なんだ?


「タダシ ストレンジ物資ノ性状ヤ物理法則が変ワラナイ場合は」


 そこからナノの話は怖くなる。


 余剰次元を魅了する、有希の異能。

 彼女は意図せずとも物質の性状や法則を書き換えてしまうかもしれない。すると倥空こうくう母艦が地下に閉じ込められたり、それ以上のことが起きたり、と。


「それ以上、って?」と聞いてみると。

「制御ヲ失くシタ ストレンジ物資ガ 地球ヲ飲み込ムトカ」

 さらりと地球最後の日みたいな答が返ってきた。


 ✧


 これまでは

 とはいえ旺鉄ナノは地球を滅ぼしに来たのではなく、人類を救いに来たのだと言う。



 無邪気そうな角の童女たちを可哀想に思えてきたところで、ナノが話をまとめにかかった。

 宇宙における並行世界は大雑把には2種に分けられる。余剰次元サイズが小さくヒト属のみが住まう地球世界と、余剰次元サイズが大きくヒト属に亜人属、加えて魔属が住まう地球世界とに。

 余剰次元サイズが大きい世界では、魔法や陰陽の類いの異能の行使が可能。いっぽううう、僕らの地球のように余剰次元サイズが小さな世界では、コンピュータの集積回路が発熱しにくい(つまり、スマフォのような機器は僕らの地球の方でのみ存在が可能)。

 

 で、両者の狭間に「変曲点」的な地球世界がある。それが、とある乙女座超銀河団有希が生まれた地球。その地を実験神の手下が現在進行形で狙っているとのこと。

 

 既に、余剰次元サイズの大きな世界の地球の大方は、阿鼻地獄の獄卒なる実験神の手下によって滅び去ったとのこと。


「有希ノ地球ガ 奴らノ手ニ落チルト、次はコノ地球の番」


 まぁ、そうなんだろうな。

 ということで、t14e実験神 対 とある乙女座超銀河団有希とのバトルとやらに、僕らの地球も巻き込まれざるを得ない、と。


 ――女神フェムトナの助けで得た僕の3億円もその類いのチートなんだろうなと今にして思う。




「我々ノ側ニハ 余剰次元ヲ魅了スル異能持ちノ有希がイル。有希ガ無事デアル限り我々ハ負ケナイ」 


 ん? 勝ち負けのある話をしていたのだっけ?


 そう思う僕の前で、ナノは話を続ける。

 余剰次元サイズが相異なる並行世界の集合体である、この宇宙。

 そこに、本来は混じり合わない並行世界を混ぜ合わせる存在、experimentingodsエクスペリメンティンゴスが現れた。


「エクスペリメンティンゴスは長いカラ e14s又は実験神ト呼ブ」


 はい――e14s実験神、とね。

 

 その実験神やらが、並行世界の地球を混ぜるな危険している。混ぜ合わせると……地上の人類・亜人は滅びの危機に瀕する。

 余剰次元サイズが異なる並行世界の惑星には、亜人の類もいたりするらしい。脇にずらりと並ぶ角の童女達も、天鬼族という亜人なのだという。

 彼女たちの世界こそが、実験神によって獄卒の炎の地に変えられたのだとか。

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メスガッキー大編隊 と 末妹レム子の天鬼族再旺紀 ✧ 超科学ハーレムと大魔災チートが交差する時、SF作家スタニスワフ・レムも気分超常な物語は始まるっちゃ。 十夜永ソフィア零 @e-a-st

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