第69話 エピローグ


「みんな、お待たせ」


 俺はアイリと共に地上に戻ってきた。

 サテナとカンナが迎えてくれる。


「終わったのか……?」

「ああ、すべて終わった。これで暗黒大陸は平和になった……」


 暗黒大陸から混沌の龍たちが消えたことで、あとは始龍は俺とアイリだけになった。

 これで、もうアイリはこそこそ隠れて生きる必要がないというわけだ。


「さあ、アイリ。いっしょに帰ろう。俺たちの森へ……!」

「ああ、レルの他の仲間たちにも会いたいことだしな」


 俺とアイリはドラゴンの姿になって、それぞれサテナとカンナを背中に乗せた。

 そしてフォスフォフィライト湖までひとっとびだ。



 

 俺たちは魔境の自宅まで戻ってきた。

 ライゼとティナ、フェリス、マフィンたちが出迎えてくれる。

 

「レルギア殿……!」

「レルギア様……! こちらが、アイリさん? よかったですね。アイリさんとあえたんですね!」


 ライゼとティナが俺に抱き着いてくる。

 そして軽くキス。


「ああ、そうだ。アイリ、紹介するよ。ライゼとティナ、フェリス、マフィンだ」

 

 そのようすを見たアイリが、急に機嫌が悪くなった。


「なあ……レルよ……? そやつらはお前の仲間か……?」

「ああうん、全員俺の嫁だ」

「なにいいいいいいいいいいい!? お前ってやつは……ほんと……なかなかやるな……」

「だって、アイリが気になった女はすぐに抱いて自分のものにしろって俺を育てたんだろ?」

「そ、そうじゃが……こうして実際に見るとだな……。なんというか……」

「もしかして……嫉妬してるのか?」

「う……そ、そうじゃ……! 我だって、久しぶりにレルと再会したのだから……」

「じゃあ、まずはアイリからだな」

「え……? あ、ちょっと……!」


 俺はさっそくアイリを抱きかかえて、寝室へと向かう。


「アイリ、たくさんイチャイチャしような? これから、一生だ。これまで離れ離れだったぶん、いっぱい思い出を作ろう」

「もう……レル……。しばらくみんうちに、いい男になりおって……」


 俺はそれから、たくさんアイリと愛し合った。

 もちろん、他のメンバーも耐え切れずに中に入ってきたから、全員愛してやった。




 そして数年後――。


 

 ライゼたちは無事に学校を卒業した。

 そして、予定通り、俺たちは正式に結婚した。


 まず最初に、アイリと俺の間に子供が生まれた。

 めちゃくちゃ可愛い、ドラゴンの娘だ。

 俺たちは娘にシンシャと名付けた。


 それから、ライゼとティナも妊娠している。

 俺たちは幸せいっぱいの大家族になった。

 今ではみんなで、大魔境にある家で幸せに暮らしている。


 これからも、俺はたくさんの雌を孕ませる予定だ。

 ローゼンベルクの城のメイドさんたち、それから元クラスメイトのみんな。

 だけどまずは、ここにいる家族を守れるようにならないとな。


 暗黒大陸は、あれからアイリの手によって、人間が住めるように改造された。

 そして暗黒大陸へと簡単に行き来できるように整備などもされた。

 今後数年で、移住が進むそうだ。

 まあ、俺がたくさんメスを孕ませるから、人口も増えるだろうしな!





 俺はアイリに拾われて、幸せな人生を送ることができた。

 俺はアイリにたくさんのことを教わって、与えられた。

 そんなアイリが急にいなくなって、一時は絶望もした。

 だけど、こうしてまたアイリと再会できて、幸せに結ばれて……。

 今、俺はなにもいうことがない生活をしている。

 こんな幸せって、あってもいいのだろうか。


 前世で誰からも愛されなかった俺は、こうして今たくさんの人に愛されている。

 それは全部、アイリのおかげだと思う。

 アイリが俺を愛情いっぱいに育ててくれたからだ。

 だから今度は、俺がそれを返そうと思う。

 俺はたくさんアイリのことを愛す。

 そして、ライゼたちのことも。

 もちろん、子供たちのことも。

 俺はこの世界をぜんぶ愛そうと思う。


 アイリが俺にそうしてくれたように。

 

 




=============

【あとがき】


さて、最後は少し駆け足でしたが

これにてこの物語を閉じようと思います

長らく放置してしまいましたが、無事にたたむことができてよかったです

最期までお付き合いいただきありがとうございました

月ノみんとの次回作にもご期待ください



↓↓↓



過労死した社畜OL、ゲーム内のエルフに転生して無限の寿命とチートクラフトを手に入れたので今度こそ自由に生きたい!~趣味にものつくりに、のんびり森で【もふもふ】と【スローライフ】な日常を希望します~


https://kakuyomu.jp/works/16817330667619768385

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

始龍の賢者 月ノみんと@世界樹1巻発売中 @MintoTsukino

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ