主人公・月島マリのお気に入りの場所”BOOK CAFE ピート”。マリはそこで、いつも温かく出迎えてくれるマスターの堀田克也や書店で出会った同い年の大川健斗らと、癒しの時間を過ごしていく。
めちゃくちゃ良きです!面白いです!「本から生まれたつながり」の良さが存分に伝わってきます。共通の本の話題で盛り上がったり、誰かがきっかけとなって新しい本に出会ったり…とっても素敵。
マリと大川の距離が少しずつ縮まっていく様子に頬が緩むこと間違いなし。過去に苦しい思いを抱えた二人、同僚や友人に悩んでいる二人。似た者同士二人の空気感が最高です。「うん」というたった二文字の相づちが心地よく、読んでいるととても穏やかな気持ちになります。
言葉で伝えることの大切さ。誰かに自分の過去や想いを聞いてもらうときのちょっとした恥ずかしさ、そして嬉しさが丁寧に描かれています。とにかく素敵な作品です。
大事なことなので二回言います。とにかく素敵な作品です!(大声)
だがしかし後半にいくと、ほんとに前半と同じ作品かな?と思うほど人間関係がドロドロしていきます。怖かったりイライラしたり…色んな感情になりました。ガラッと雰囲気が変わる様子も読んでいて楽しいですよ!
ぜひ読んでみてください!
おそらく読書が好きな皆さんなら、この物語で最初に感じるのは「こんなブックカフェに通ってみたい!」ではないでしょうか。
主人公マリが、いかにこの場所が癒しの空間なのかを体現してくれるため、読んでいると本当にこの空間を覗き見ているような感じさえしてくる臨場感。行ってみたい!
そんなマリですが同期一人のせいで悪化する職場環境で悩みがあり、そして過去の事故の記憶、その後の人間関係の結果、このブックカフェだけが癒し要素のようになっています。
この空間を作り上げる素敵なマスター、不意に出会った同じようにブックカフェを楽しめる大川さんと触れ合いながら、このブックカフェを絆として関係を深めていく人間ドラマ。
恋愛のときめきと、そのほかの場面での人間関係でのヒヤリ。
実写ドラマにすると良いのでは? と感じる、とても完成度の高いストーリーです。