第56話 見学(魔拳銃)
食事が終わった後、俺は兵士たちの訓練場へと連れてこられた。武器を持っていると分かったからか俺は兵士たちに囲まれている。
訓練場に着いても兵士の囲みからは解放されず、領主マリアンヌ様は見学席にて俺たちのことを見ていた。
「ではカイト様。魔法陣を使った武器と言うものであちらの鎧を攻撃していただけませんか?」
近くにいた執事さんよりそのように言われた。俺は。
「武器は弓矢のような遠距離武器なのでここから攻撃可能なのですが・・・兵士たちを少し引かせていただけませんか?」
「これは失礼しました」
その一言で兵士たちは囲むのを止めて鎧まで一直線の道を開けてくれた。俺はストレージから拳銃を取り出し標準を鎧に合わせる。
「すみません。武器はどこから取り出したのですか?」
「俺・・・、僕はアイテムボックスに似たスキルを持っているのです。詳細は伏せさせてください」
「・・・かしこまりました。しかしその情報だけでも領主様に伝えても構わないでしょうか?」
「それは仕方ないですね。分かりました」
俺は気を取り直して標準を鎧へ合わせて銃弾を放つ。銃弾は当たったようだが俺は連続して六発銃弾を放った。
俺の周りを囲んでいた兵士たちは大きな音に驚いていた。
「終わりました。鎧を確認してみてください」
そう俺が言うと一人の兵士が鎧まで駆け寄り鎧を確認して戻ってきた。
そのころには見学席にいた領主様も訓練場内部に降りてきており、兵士の報告に耳を傾ける。
「鎧には小さな穴が開いており鎧の後ろ側にまで貫通しておりました。その数は音のした数、六カ所ありました」
「カイト君、この武器はユーステリア領では一般的に使われているのですか?」
「いいえ。これは俺・・・、僕専用の武器です。ただし現在これに似た武器を僕の護衛にのみ装備されています。そちらは僕の持つ物よりも連射力が高くなっています」
領主様は少し悩んだ後、話を続けた。
「この領にある魔法陣を網羅した書物をあなたに与えます。その見返りとして国王様からの承認が得られてからで構いませんので、部下に装備させているという武器を融通してください。この話しは私がユーステリア領の領主様宛に手紙を書きますので、あなたはそれを届けてくれれば結構です」
「そこまで好待遇でよろしいのですか。僕が魔法陣の書物を持ち逃げするかもしれませんし、もしかすると国王様からの承認がおりない可能性もありますよ」
「では、こちらからもあなたに護衛と言う形で監視を付けさせていただきます。詳細は後日話しますので、今日から数日の間はゆっくり家で待っていてください」
これで話は終わり訓練場を後にした。
魔弾を撃つ商人 るいす @ruis
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