金銀桜図(きんぎんおうず)
こぼねサワー
【1話読切・完結】
江戸の治世も半ばとなれば、桜の花見は貴人も庶民もへだてなく、春を祝うルーティーンとして定着している。
ことさら花の都のそれは格別で。
シダレ桜に山桜、福々しく花びらを重ねた八重桜。
ひときわ枝ぶりのいい桜木が目立つ広場は、
そこにトボトボと1人歩いてきたのは、江戸仕立ての
片手にチョコンとたずさえていた
「なんじゃ、
典雅な
そのうち、呉服問屋の
「あれぇ、あの
「
「そうや。黄金やら白チョウ貝で細工した
「それほどの風流人なら、
「よりにもよって
「おおイヤだ。
そのまま、ときおり川辺の桜の枝ぶりを見上げながら、ゆるゆると橋を渡って去っていった。
やがて、
「うわあ、ごらんよ、あれ」
「まあ、綺麗!
と、橋の上を通りかかった幼い兄妹が騒ぎたてると、にわかに
ゆったりとした清いせせらぎの真ん中にプカリ浮かんでいる竹の皮の上には、
---オワリ---
金銀桜図(きんぎんおうず) こぼねサワー @kobone_sonar
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