Until Dawn

秋乃晃

それでも朝はやってくる。

 君が今際の際に遺した言葉の意味を、ずっと探している。


 生きとし総ての魂へ平等に訪れるその日。明くる日に君のまぶたが開くことはない。いずれわたしは君の声を忘れて、ありとあらゆる人々の思うところの〝普通〟の生活に溶け込んでいくのでしょう。

 いつかの君が希望のぞんだ景色を歩んでいく。


 眩く、この世界をおどしていた光は厚い雲に遮られた。償いきれない雨は我が身に降り注ぐ。過去は既に確定し手の施しようのないものだ。振り返る価値などない。どう足掻いてもあの頃には戻れないのだから。わたしは未来を視て、前に進んでいく。わたしが信じるその道標の終着点は君の居場所だったらいい。


 正解のない幻想ゆめに囚われている。

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Until Dawn 秋乃晃 @EM_Akino

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