30.

「じゃあ、俺は勘違いで」


俺はその事を理解すると、ミフィアに頭を下げて謝罪した。


「ごめん、俺は」


「いいのよ、分かってくれれば」


そう言って微笑むミフィア、俺はそんなミフィアを見て、思う。

こんなにも優しい子から、俺は、俺は、そう思いながら、俺はミフィアを抱きかかえた。

ミフィアは驚いたように、俺の顔を見ている。

俺は、そんなミフィアに微笑みかけた。

そして、俺は、ミフィアをアンナに託した。

俺はアンナにこう言った。

俺はミフィアの事を頼む、俺の事は、今は考えなくて良いのだから、

そう言うと、アンナは俺にこう答えてくれた。


「わかったよ、あんさんの頼みなら、任せとき」


アンナはそう言うと、ミフィアを連れて城の中に入っていった。

俺はそんな二人を見送りながら、これからの事を考えていた。

さて、どうやって、エリーゼの亡骸を取り戻すか、それが問題だ、俺が、途方に暮れていると、俺の視界に、精霊ノームが飛び込んできた。

俺はノームに視線を向けると、ノームは俺に話しかけてきた。


「ねぇ、僕に、出来る事があるんだ、手伝ってくれる?」


俺はノームの言葉に、


「何が出来るんだ?」


そう聞くと、ノームは笑顔でこう言った。


「うん、僕のスキルを使うんだよ」


ノームはそう言って、俺に手を差し伸べてくれたので、俺はノームの手を握りしめたのであった。

俺はノームと、共に、魔王の城の門の前に立っていた。

そして、ノームが、こう話を切り出した。

ノームは、自分の力を使いたいと、俺にお願いしてきたのだ。


「ねえ、君の持っている、魔剣、ちょっと貸してくれるかな?」


そう言って、俺に問いかける、俺は戸惑いながらも、ノームに、


「ああ、分かった」


と言って、鞘から抜いた。

すると、ノームは、その魔剣に、魔力を込めていくと、その刃に刻まれた文字が変化していく、やがて、それは、禍々しい形へと変貌していった。

ノームはそれを見届けてから、今度は、俺に、その変化した魔剣を手渡してきたので、俺はそれを受け取って、その変化に驚愕した。

そこには、黒い炎が揺らめいていて、 その刀身は漆黒に染まっていた。

俺は、その魔剣の変化に戸惑うが、すぐに俺はその魔剣を、手に馴染ませる為に振るってみた。

その瞬間、俺の身体に、力が溢れだした。


俺はその感覚を確かめると、その魔剣を腰に差し直した。

改めて、魔王の城の門を睨みつけると、俺は、その門の扉を開けた。

中は俺が魔王だった時のままでなんら変わりがなかった。

俺は、魔王としての記憶を思い出していた。


俺は、ある場所に向かって歩き始める。

そこは、魔王の間と呼ばれる部屋だった。

俺はその部屋の前まで来ると、一度深呼吸をして、 意を決して、その部屋に足を踏み入れた。

唖然とした、エリーゼの亡骸が美しく魔王の玉座にまるで寝ているように封印されている。


俺は、そんなエリーゼの傍まで行くと、 膝を折って、エリーゼの亡骸に触れる。

やはり、冷たい、 そして、エリーゼの胸の上には、一輪の花が、咲いていた。

俺は、その花を手に取ると、禁呪である、蘇生魔法を唱え出す。


「我、この者に命を与える者なり、今こそ我が願いに応え、この者の魂をここに呼び戻せ、エレメントソウル」


その言葉と共に、エリーゼの胸に咲く花の色が黒く染まる。

それと同時に、エリーゼの心臓が動き出して、息を吹き返した。


「よかった」


「魔王の力を使ったの? なんで」


エリーゼの悲痛な叫びを聞いて俺は俯いた。

そして、エリーゼと幸せに暮らすのでした。

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婚約破棄された俺は、悔しくて冒険する。~俺のハーレムは、最強で最高な仲間たちと共に築く!~ リナ @rina9756

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