第8話 今すぐにここから逃げねば……っ!

 初めて目にしたリアル人間の死体。こう言うパターンもあるかもと想定しながら、でもそれはあり得ないと思っていた惨状。一番最悪の想像が現実に起きてしまったショックは、呆気なく俺の精神を崩壊させる。


「う、うわああああああっ!」


 俺は奇声に近い叫び声を上げながら、即その部屋を脱出する。頭の中はこの不気味な洋館を脱出する事で一杯になっていた。命の危険を感じてパニックになっていたのだ。信じられなくらいに足が動く。体育でも部活でも出した事のないくらいのスピードをこの時の俺は叩き出していた。

 きっとこれが火事場の馬鹿力と言うものなのだろう。今なら陸上部の奴らともいい勝負が出来る気がする。そのためにも、まずはここから生きて帰らねば。


 俺の目の前に館の玄関が見える。ゴールは目の前だ。まだ生きている。生きているって素晴らしい。これでゴールだ。日常よただいま。もう好奇心に負けたりしないぞ。

 俺の右足が玄関に踏み入れる。あと一歩。一歩を踏み出せ――。


「うごぁ……」


 突然、俺の背中に激痛が走る。もしかしたら矢が刺さったのかも知れない。殺人犯が死体を見た俺を逃さなかった? どこかでずうっと見ていた? 色々考えては見たものの答えは出ない。その内に懐かしい記憶が頭に中を駆け巡り始める。これって、走馬灯ってやつかな。

 嫌だ、死にたくない。ここまで……ここまで辿り着いたのに。

 

 ああ……あと一歩が遠い。とお……い……。



 焦って脱出しようとして死亡エンド




 もう一度最初から

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330648990233938

 このエピソードの最初から

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649028955548

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