ミステリ編

第5話 怪しげな洋館

 俺はこの集団に興味を持つ。いけない事かも知れないと思いつつ、こっそりと後をつけてみる事にした。集団はどんどん人気のないところに歩いていき、俺も行った事のないエリアへと踏み込んでいった。

 俺は自分の行動範囲の中にまだ知らない場所がある事に興奮を覚え、尾行に集中していく。


 踏切を超え、ところどころに空き家のある住宅街を通り、荒れ果てた休耕地の脇の道を集団は黙々と歩いていく。いや、中には雑談をしている人もいるのかも知れない。一応バレないように距離を取って歩いているので、詳しい事は分からないままだった。

 俺は後をつけながら、来た道をしっかり記憶に刻みつけていく。初めて通る道だけに、忘れてしまったら二度と戻れない気がしたからだ。


 もう営業していないスーパーを抜け、もう稼働していない工場を横切り、放置されているっぽい産業廃棄物置き場を素通りする。この先に一体何があると言うのだろう。彼らはどこから歩いてきたのだろう。

 頭の中が謎で満たされて、脳みその許容範囲を越えようとした時、前方に古びた洋館が見えてきた。まるでホラー映画にでも出てきそうな、もしくはミステリーで登場人物がどんどん死んでいきそうな、そんな独特の雰囲気を持った洋館だ。


「地元にこんな洋館が建っていたなんて……」


 どうやら集団の目的地もその洋館で間違いないようだった。全員がぞろぞろとその中に入っていく。誰も全く躊躇せずに。もう何十年も人が住んでいないような、寂しくて恐ろしい雰囲気が漂う洋館なのに。

 こっそり様子をうががっていた俺は、このあまりに雰囲気のある洋館を前にして大きな決断を迫られる。



 毒を食らわば皿までだ、この洋館に入ろう

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649030421583

 何か怖いので入るのは止めとこう

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649031326371

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