第5.5話 まずは周囲を調べよう
俺はこの館に恐怖を感じ、入るのを断念。ただ、そのままUターンするのも違うような気がして周囲を調べる事にした。折角来たのにすぐに帰るのも勿体ない気がしたのだ。
館自体は古びていたものの、周囲は綺麗に整備されている。多分管理をする人がいるのだろう。雑草もそんなに生えていなくて歩きやすい。
館の前面には意味ありげな庭があって、選定された木々が規則正しく対象に植えられている。所々には謎の像とそれを置いている台座があった。有名な芸術家の作品だろうか? そう言うのに疎いため、正体は分からない。
花壇もあるものの、そっちはもう何も植えられおらず、土が顔を見せている。昔は色々な花が季節に合わせて咲いていたに違いない。
「花はないのに、木はちゃんと管理されているんだな……」
俺は館の外壁に手を添わせながらぐるりと周りを一周する。館自体に不審な点はなく、何の異常も発見出来ないまま出発点に戻ってきてしまった。
後は特に調べるものも思い浮かばない。俺は何となくこの怪しい館を見上げる。
「うわあああああ!」
その時、突然館の中から悲鳴が聞こえてきた。中に入って行った人に何らかのアクシデントが発生したらしい。俺はすぐにスマホを取り出して、110番通報をしようと液晶画面を見る。
「嘘だろ……? 圏外になってる」
そう、液晶画面には電波の通じない証の圏外の文字が表示されていたのだ。確かに館のある場所は地域の外れにあるものの、電波が圏外になるほどは離れていない。何しろ、館のすぐ側に住宅地があるのだ。これは何らかの妨害電波的なものがこの周囲にだけ発生しているに違いない。
そこまで準備していたと言う事は、計画的な犯罪が館の中で実行されているのだろうか? そう考えると興味深くもあり、怖くもなった。
俺は腕を組んで、これからどうしたらいいのかを考え始める。
中に入って真相を確かめるで
https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330650866298348
ヤバいし、急いで逃げよ
https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649031407365
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