第12話 俺に任せてください
熟考したソラが口を開きかけた時、俺は彼の顔の前に手を伸ばしてその行為を止める。
「俺に任せてください。犯人、分かりました」
「そうかい? じゃあ君の推理を聞こうかな」
俺の推理では、やはりノッポでサングラスの健二が一番怪しいとにらんでいた。背が高いだけでなく体もしっかり鍛えられていて、力技で簡単に人を殺せそうに見える。こいつ以外が犯人であるはずがない。
藤沢教授はもう老人だし、桃風は怪しげだけどか弱い女性だから。そんな簡単な消去法だ。いくらアリバイが完璧でも、俺の目は誤魔化ないぜ。
俺は犯人の名前を口にする前にテーブルに用意されていたグラスに口をつける。緊張感で喉がカラカラだったのだ。
グラスに注がれていたのはグレープジュース。俺の好きな味だったのもあって一気に飲み干した。
「落ち着いたかい」
「あ、はい。じゃあ俺の推理ですけ……」
俺は喋っている途中で突然体に激痛が走って、そのまま床に倒れてしまった。この激しい痛みは多分毒。ああ、グラスかジュースに盛られていたんだ。まさかこの場でそんな罠を張っていただなんて……。こんな事が出来るのは……。
薄れゆく意識の中で俺は真犯人に気付いたものの、それを口にする事は叶わなかった。そう、次の瞬間に俺は息絶えていたのだから――。
でしゃばって犯人の罠にかかってしまったエンド
もう一度最初から
https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330648990233938
このエピソードの最初から
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