新説 昔話

画霊

　ある男がモニター越しの二次元アイドルを相手にがんばっていると、なんとそのアバターが彼へ語りかけてくるではありませんか。

「わたし、実は画霊っていう妖怪なの～。このままじゃあなた、魂全部吸われちゃうけど、それでもい～い？」

　男は即答しました。

「いっこうにかまわん！」

「ありがと～！」

　夜になっても姿を現さない息子を心配した両親が、そっと部屋のドアを開けました。

　すると彼は、満面の笑顔で息絶えていたということです。

　そんなもんです、人間なんて。