地中海の匂いがする、とても鮮烈で情熱的なロマンス劇

シェイクスピアが書いたナポリのような、そんな世界のお話でした。

過去の因縁と失われた記憶。
惹かれ合う2人の恋心。
そして勘違いのロマンス劇。

各所にそこはかとなく含まれた劇的なエッセンスが、大筋の2人の恋路にをうまい具合に焦らさせて、ハラハラさせて、けれど、すべて終わりよければすべてよしと言える形に収まっていたなと思いました。

演劇を話のエッセンスにした作品はあるにはあるけど上手く取り入れたものは少ないなあと思っていたところにこの作品と出会えたので、とても満ち足りた気持ちになりました。

寝る前に読んだのですが、冬の寝物語としては最高でした。
夏の夜にも夢に見たい気持ちです。
あらしのように一気読みしてしまいました。

願わくば、この作品の人物たちが、これからも楽しいから騒ぎをしていてくれればいいなと思います。
素敵な作品ありがとうございました。

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