第3話 入学式



「はぁ……間に合ったぁ〜!」


「ほら、座るぞ」


「はぁ〜い」


私達は体育館にぎりぎりで滑り込み、席へと向かっていく。


特待生のこともあってわたしたちの席は一番前の列である。


 「舐められないように堂々とな」


 「もちろん!任せなよ!」




 ……カツ……カツ……カツ……




わたしたちは堂々と胸を張って歩いていく。



みんながざわついてるのが手にとるようにわかってしまう。



まあ、当たり前だよね?


わたしたちの色は珍しいし、なんていったって美形だし?


席に着くと、同じ列の端っこに座っている男の子が目についた。


あの位置は、……主席の人かな?



そこに座っていたのは、藍色の髪に燕子花色の瞳をした男の子だった。


特待生のあたしたちが主席じゃないのはきっとお金持ちが金を払ったのだろうとわかっていたけど、あの子が…?


それにしても、誰かに似てるような……




まあ、いいか!




『これより、第58回暁紅ぎょうこう学園入学式を始めます。』




放送が体育館に響き、式が始まった。




ピンと張った緊張感の中、式は順調に進んでいった。



『続いて、新入生代表の言葉。燕子花渚颯。』



そう放送が響くと、先ほどの藍色の髪に燕子花色の瞳の男の子が立ち上がってわたしの前を通って壇上に上がった。




どうやらあの子が燕子花渚颯かきつばた なぎさみたいです。


美形だね。


髪の色から察するに燕子花の瞳があの子の家の血筋かな?




そんなことを考えていると燕子花渚颯の話は終わっていた。





『最後に、理事長よりお言葉をいただきます。』



そう放送がなると、若い男の人が壇上に上がった。


燕子花色の髪に藍色の瞳。その色合いはどこか燕子花渚颯を連想させてきた。


燕子花渚颯の親戚…?


「はじめまして。この暁紅学園の理事長を努めています、燕子花渚凪かきつばた ななです」


「堅苦しく長々話されるのは疲れるだろうし、簡単に」


「まずはようこそ、学園都市・ミディウム 暁紅学園へ。」


「みんなが入学してきてくれたことをとても嬉しく思います」


「今年は超天才児に俺の弟とか逸材がいっぱいだからね」


「この学園都市、この学園に入った皆さんに意識してほしいのはひとつだけ」


「ここでの生活を楽しんでください」


「知ってると思うけど、ここは全寮制」


「この学園都市は”都市”とついているからほとんど外の街と同じになっているんだ」


「みんなにはここの生活を通じて一般人の生活を知って、今後の役に立たせてほしい」


「そのために、バイトしても良し、恋愛してもよし、」


「自分に合った生き方をここの中で見つけてください」


「俺からは以上です」


『ありがとうございました』


『それでは各自、教室へ移動してください』



生徒達がぞろぞろと教室棟へと向かっていく。



「いくぞ、想來」


「はーい」


わたしと凪もその生徒達に紛れて教室へ向かった。



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