あむすあーる。放課後に2人。

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放課後に、2人。

男性向けシチュエーションボイス。




放課後、先輩を見つけた女の子。



「あ、せんぱーい、今帰りですか?」


「はい、私もなんです。ご一緒してもいいですか?」


「いいんですか?えへ…ありがとうございます」


「先輩はたしか……駅までですよね」



歩き出そうとするが、先輩男子は立ち止まる。



「先輩…?何で止まって……あ」



先輩は車道側に移動する。



「わざわざ車道側に……せーんぱい、私そんな事気にする女じゃないですよ?」


「…俺が気にするって……相変わらず優しいですね。」


「何でもないです。早く行きましょ」



隣どうし歩き出す。



「そういえば部活終わる時間って、もう過ぎてますよね。私の科ってだいたい終わるのこれくらいですけど…」


「居残り…。あぁ、再来週には文化祭ですもんね……って、そういえばあれ、先輩だけの仕事じゃなかったですよね…?」


「えぇ、他の先輩帰っちゃったんですか?……デートとかって…それ、先輩が仕事押し付けられただけじゃないですか」


「1人なら気楽で良いって……良くないですよ……」


「良くないです!だって、先輩の優しさに漬け込んでるだけじゃないですか!先輩だって予定があるかもしれないのに、先輩に負担を……」



先輩は自分の為に怒ってくれる女の子の頭を撫でる。



「っわわ…!先輩?何で頭撫でて…」


「ありがとうって…だって、先輩がそんな扱いされるの、嫌だから……」



なでなでの速度が上がる。



「…ッひゃ!せ、先輩、急に激しいです…!もぅ!髪が乱れちゃいますー!」


「ふわ、急に止まった……」


「嫌だった?って……そんななワケ、ないじゃないですか……。」


「だって私、先輩になら…何されてもいいですから……!」



トラックが走り去って行き、女の子の言葉は消されてしまう。



「…………なんですか、先輩。」


「何にも言ってないです!空耳じゃないですか?」


「顔赤い?気のせい…です………。」


「………先輩、」


「駅まで、あとちょっとですね。」


「そうですね。駅舎、見えて来ましたね……。」


「……あの!寄り道、しませんか?あ、時間、あったらでいいので!」


「……いいんですか!…っし、ありがとうございます」


「じゃあ、あそこ行きたいです!あの新作、美味しいらしいんですよ!」



スタバ(的な店?)でドリンクを買い、店を後にする2人。



「お店、席埋まってましたね…。」


「と言うか先輩、よかったんですか?その奢ってもらっちゃって…」


「いえ!ありがとう、ございます。そうだ、先輩 公園行きましょ?ゆっくり出来るとこ知ってるんです!」


「はい、案内は任せて下さい。」



公園にて……。遊具の類いと云え、ば古びた木製のチェアブランコのみ。はしゃぐ子ども、散歩する老夫婦すら居ない。



「…先輩、この公園初めてですか?穴場なんですよ。静かにボーっとしたい時とか、本を読みたい時とか、良く来るんです。」


「お爺さんみたいって…、ちょっと酷くないですか!?せめて性別は変えないで下さい。」


「……別に、そんなに怒ってないですよ。それより座りましょ?先輩。」



ベンチに腰掛け、ひと息つく2人。



「…ふぁ〜…美味しぃ〜。あったかぁい♩」


「先輩は何にしたんですか?」


「普通のラテですか。いいと思いますよ。安定の美味しさですよね」


「別に隠さなくていいですよ?先輩って1人だとああいうとこ行きませんもんね。」


「……ふふ、先輩かわいい。」


「え?あ、声出てました…?すみません、悪口じゃなくて……その……!」


「あぁ、こっち向いて下さいよ〜……」


「ごめんなさい、嫌でしたよね。本当に……すみまふぇ!?」



またも頭を撫でられる女の子。

これは先輩男子の照れ隠しである。



「せ、先輩、頭撫で過ぎですって…!わ、分かりました!変に謝りませんから〜……うう、またくしゃくしゃじゃないですか、もう…。」



ゆっくりと飲み物を1口だけ飲み、女の子は先輩に話を切りだす。



「あの……先輩って、彼女いるんですか?」


「なんだよ藪から棒にって…?気になったからです。興味本位」


「まぁ、その微妙なお顔は、居ないってことですね?」


「いやいや!別に嬉しそうな顔してないです。ホントですって!」


「私、は…知ってるクセに。」


「私が元カレとちゃんと別れられたの、先輩のおかげじゃないですか」


「そんな事ない…?あるんです。私が…元カレからストーカー紛いのことされてる時、先輩が相談に乗ってくれて、虫除けだっていつも側に居てくれたじゃないですか。」


「それ以来はずっと先輩と一緒ですもん。」


「だから、今フリーです。…お揃いです、先輩と。」


「……?。どうしたんですか?」


「先輩…どうして謝るんですか……?」


「…………!」


「違います…!私に彼氏が出来ないのは、先輩のせいじゃないです!」


「それも違います!元カレ…アレなんかの所為で、男の人が怖くなってもいません!」


「…、好きな人が…居るからですよ」


「誰、って…ホントに分かりませんか…?」


「…嘘。先輩なら、ここまで言えばわかる筈です。……こっち、向いて下さい…」


「先輩…、……この、もういいです……!」



女の子は先輩の顔を自分の方に引き寄せ、そして…意を決し、口付けをする。

初めは触れただけのそれの主導権は、女の子にが握った。故に、堰を切ったようにそれの深度は深まって行く。



「…っ………っは、ぁ…」



不慣れなでたどたどしくも、2人の体温が粘膜を通じ混ざり合う。……もしかしたら前歯が少し当たっていたかも知れない……そんな口吻。



「……っぁ、ふ…、っは…ぁ。これで、分かりましたか?私がいつも先輩と一緒に居る理由。」


「……初めてでした?こう言うコト」


「私…は、どっちでもいいです。そんな事より、先輩は私の事、どう思って……ひゃっ……っん……!」



口付けされる女の子。

『それ』はさっきよりも暖かで…先輩男子の添えた手は優しく─────。



「……っふ、…不意打ちは、ズルい、です」


「…ぁ、そうでした、私からしたんですよね。」



……女の子の瞳には、徐々に涙が溜まって………。



「……はい。私も、先輩が好き。……大好き、です。」


「だって、先輩は私が変な男に付きまとわれてるところを助けてくれて…。」


「……それに、知ってるんです!アレが退学したって聞いたとき、先輩も5日間くらい学校休んでて、その………入院、してたんですよね……?」


「私の所為で先輩が辛い思いしたのに!なのに!それからも……ずっと優しくて………!」


「そんなの、好きになるに決まってるじゃないですか。」


「だから、責任……!とらせて……?」



先輩男子はそのまま優しく抱きしめる。

制服が涙で濡れることも構わずに、ただ女の子に温もりが伝わるように。


「わ、私の、所為なのに……、!自分勝手な…!告白したのに!」


「……!はい…はい……!私も、 好き…好きです!大好きですぅ……!!」


「ぅう……ぅわぁああああ……………」



その涙が治まるまで、2人は抱き合い続けた。



「……っく、はぁ……はい。先輩が、ぎゅしてくれたから……落ち着いて、来ました。」


「……改めて、ですか?……はい。」


「……はい……!私も先輩が好きです。こちらこそ、ふつつか者ですが……よろしくお願いします……!」


女の子の声が少し涙に濡れつつも交際の約束を紡ぐ2人。

そして…2人はもう一度口付けをする。



「………えへへ。大好きです、先輩」




〜fin〜



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