仕事なんだから割り切ってくださいよ

 今日もクソは絶好調、部下を叱る自分に酔いまくっている。何がクソを突き動かしているのか理解できないが、クソが加虐嗜好者であることは間違いないだろう。やつは、ニヤニヤしながら叱っているのだから……。

 自分の性癖を満たすために部下を使うなよ。まあ、性癖を満たすために男を使っているから、こいつは同性愛者だという事が出来るだろう。私が被虐嗜好者で同性愛者ならWinWinなのだろうが、残念ながら私はどちらでもなかった。


 なので、私はクソに毎日レイプされている気分だった。当然のように会話するのも嫌になり、返事をするのも嫌になっていた。

「おい!面従!おい!呼んでんだよ!返事しろよ」

 私は無言で立ち上がり、クソの前に行く。気分は監禁レイプされている被害者の気持ちだ。これから無理やり犯されるのである。


「なんで、返事しねぇんだよ。俺の事、嫌いなのかもしんねぇけどよ。仕事なんだから割り切ってくれよ!」


 ではない、嫌いなのだ。仕事なんだからと言うのであれば、お前の方こそ、仕事と割り切って言葉遣いを改めるべきだ。仕事は、自分の性癖を満たすためにやっているのではない。

 お客様にサービスを提供し、お金を貰うの為にやっているのだ。そして、私はお前の性奴隷ではない。性癖を満たすために利用するのはやめて欲しい。正直ブチ切れて罵声を浴びせた上で馬乗りになってぶん殴ってやりたいが、そんなことをすれば逮捕されるのは私なので、ここはグッと我慢する。


 復讐の方法は既に用意されているのだ。クソのやっている業務を全て引き継いだ後、クソは人事部から断罪されクビが通告される。それまでは、このクソに何を言われても我慢だ。


「それで、この前の資料は客に提出したのか?」

「しました」

「なんで、俺に報告が無いんだよ」

「メールでしました」

「常識がねぇ~なぁ~。報告は対面でするもんだろうが」

 そんな常識は初めて聞いた。そもそも、このクソは報告はメールで良いと言っていたのだ。また、お得意の記憶喪失である。

「いいか、会社で重要なのは報連相だ。知ってるか?報連相」

「はい」

「お前は、それがなってない」

 以後、1時間、私は上司の席で説教と言う名の監禁をされ、侮辱という名の凌辱をされるのだった。


 今回の罪状

 一つ目、強要罪、部下に自分の性癖を押し付けてはいけません。

 二つ目、監禁罪、上司の立場を利用して、部下を監禁してはいけません。

 三つ目、強姦罪、部下を言葉でレイプしてはいけません。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

10回以上転職を繰り返した者だが、今まで出会ったクソ上司を晒していく 絶華望(たちばなのぞむ) @nozomu_tatibana

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ