私が小学生なら、お前は赤ん坊だよ

 今日もいつも通り、クソの罵声が飛んできた。

「おい!なんだよこの資料は?」

「商品Aの資料ですが?」

「お前は小学生か?」

「いいえ」

「こんなセンスの無い資料、初めてみたよ。小学生が作ったのかと思ったぞ」


 さて、ここで、この資料を作る前に、上司から言われた命令をみなさんに紹介しよう。

「おい。面従、客に出す商品Aの資料作って持ってこい」

「分かりました」

「あ、キッチリ作る前に、書く内容を箇条書きにして、俺に見せろ。抜けがないか確認してやる。どうせ、お前のことだ、抜けてる項目があるはずだ。抜けが無いのを確認してから書式設定しろ」

 という命令のもと、言われた通り箇条書きの資料を持って行ったら、さっきの発言である。

 記憶が良いという設定はどこに行ったのであろうか?またもや、自分で言ったことを忘れて偉そうに説教を始めたのだ。

 ただ、このクソの場合、忘れたのではなく、私が作った資料に抜けがなく説教する材料が無かったから、自分の命令を忘れたふりをしてイチャモンをつけている可能性もある。


「まったく、客に出す資料なんだからしっかり作ってくれよ」

「分かりました」

 納得はいかないが、このクソに反撃しても時間の無駄なのだ。なぜなら、私が正論で反撃すると、色んな言い訳をして私の方が間違っていると長々と説明されるので私は何も言わなくなった。

 今、ここで「えっと、箇条書きで持ってこいとの御命令だったので、そのようにしたのですが」と言った場合、いままでのクソの反応は以下の通りだ。


1.逆切れ

「そんな命令はしてない!お前の記憶ちがいだ!」

 上記を言ったあと、私が過去にどれだけモノを忘れているかの長い説明がある。

 このクソは、人の失敗に関する記憶力だけは本当によかったから、そこだけは実力を認めている。だからこそ、自分が言った事もちゃんと覚えていて欲しい。


2.論点のすり替え

「そうだったか、だが、文字が小さくて見にくい、こんなもん俺に見せるんじゃねぇ」

 この後、俺が新人だった時はから始まるマジでどうでも良い自慢話が始まる。頼むから仕事させてくれ、時間は有限なんだ。


3.強迫

「おいおい。お前、偉くなったなー。この俺に説教か?」

 そして、俺が新人の時には上司を神と崇め口答えせず忠義をつくしたという、長いだけで何も得るものがない苦労話が始まる。

 なぜか、無能に限って、自分がやられたやなことを自分が偉くなったら部下にもするようになるのだろうか?会社でも虐待の連鎖のように、パワハラの連鎖が生まれているのだ。

 もちろんこのクソも被害者なのだろう。先輩から教わったパワハラ教育が正しいと思っているのだ。自分の先輩がマニュアルも用意せず。口頭で伝え、それで出来た人間だけ認められる世界だったのろう。


 だが、それは第二次世界大戦の大日本帝国のやり方だ。その方法は、優秀な人間を選別するという意味では成功していると思うが、アメリカが行った真逆の方法、バカでも生き残れる兵器を作る戦略に負けた方法なのだ。

 マックでバイトした事がある人なら理解できることだが、作業員が優秀な人間でなくとも歯車の一つとして機能するように、作業は細分化され、単純作業しか出来ない人間でも仕事が出来るような仕組みが作られている。

 これがアメリカ式なのだ。だから、学生はマックのバイトに集まっている。皮肉な事にマックのバイトに応募する学生が多いせいで、シフトが取れず。仕方なく日本企業のバイトをしている学生が存在する。


 私は、転職を多く繰り返していたので、アルバイトも経験している。そこで同僚となった大学生から聞いた言葉だ。

「本当はマックでバイトして収入を得られれば良いんだけど、競争率高くて必要な収入が得られないから日本企業でバイトしてる」

 私はマックでアルバイトをしたことはない。だが、この大学生が普通に仕事が出来る人間だというのは日本企業のアルバイト先での働き方で分かっている。そして、マックでアルバイトをしている人間を見ていれば分かると思うが、明らかに障害があるであろうクルーも普通に働いている。

 これこそが、人を活かせる上司が居る企業の姿だと思う。


 日本企業のアルバイト先で私は無能とバイト先の先輩から言われるが、チーフからは、感謝されていた。バイト先の先輩は私が苦手としていた作業が上達しない事だけをあげつらって無能と言ったが、チーフは別の作業は問題なくこなせているので、それだけやっていれば良いと言ってくれたのだ。


 私が、辞めたアルバイト先に居たその先輩は、大日本帝国の亡霊だったのだろう。まあ、そこは、そもそも次の就職が決まるまでの間、収入を得られれば良いという理由で入ったアルバイトなので、就職が決まり次第辞めた。なので、その後どうなったかは知らないが、後で大日本帝国の亡霊の言い分と振る舞いは別途、紹介しようと思う。


 クソの話に戻るが、お前が被害者だったとしても、テレビでネットで書籍で新聞でパワハラは悪だという情報を知った上で、パワハラを行っているのなら、ただの犯罪者なのだ。パワハラという言葉でオブラートに包んでいるが、やっていることは『暴行罪』『侮辱罪』『脅迫罪』『強要罪』に当たる犯罪である。

 仕事を通してならやっていいという理論が成立するなら仕事を通しての殺人も許されることになる。悲しいことに、過度の残業や、酷いパワハラにより死亡した社員が自殺したとしても、その上司が正しく殺人罪で裁かれた判例は無い。


 日本は仕事を通してなら殺人を犯しても良い国らしい。だからと言って、自分が上の立場になった時、部下を殺そうとは思わない。本来、上司の役目とは自分の後釜を育てることにある。昔のやり方が間違っていると思ったのなら改めるべきだと私は思う。


 具体的には、新人を育てるためにマニュアルを用意し、新人が辞めないように態度を改めて欲しい。

 まあ、無理か、クソは無能なくせにプライドだけは高く、自分の間違いを認めることが出来ない小さな男なのだ。


 このクソに何を言っても無駄なのだ。こいつは、赤ん坊と同じだ。

 赤ん坊が自分の欲求を満たすために、親の迷惑など考えず泣き叫ぶように、このクソは自分の欲求を満たすために部下の迷惑など考えず説教をしているのだ。


 私が小学生なら、お前は赤ん坊だよ。


 今回の罪状

 一つ目、侮辱罪、部下を小学生呼ばわりしてはいけません。

 二つ目、強迫罪、権力をたてに部下を脅してはいけません。

 三つ目、窃盗罪、中身の無い説教をして、部下の時間を奪ってはいけません。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る