第2話 勉強会
その日、学校が終わった帰り道、花園と勉強会を開くこととなった。
「ここは……?」
「私の行きつけのカフェよ」
「は、はあ」
俺、要春道が連れてかれた場所は、陽キャが集いそうなおしゃれなカフェだった。
いや、これは俺、場違いなんじゃないだろうか
「さあ、入りましょうか」
「……うん」
緊張しつつ入った先に広がった光景は、おしゃれで静かな空間だった。
「おお……」
「座りましょうか」
「お、おう」
案外、勉強しやすい環境で驚きを隠せない。
「さて、とりあえず何の教科からやろうか」
「とりあえず、モンブラン頼んでもいいかしら?」
「いや、だめだよ?」
「え?」
「え?」
「デザート食べに来たんじゃないよね……?」
「糖分取らないと頭が働かないっていうじゃない?そういうことよ」
「ま、まあ一理あるかも」
「でしょ? ということで春道君は何食べる?」
「うーん、アイスコーヒーで……」
「りょうかいです!」
ということで勉強より先にスイーツを食べる所謂デートみたいな感じになってしまった。
「ところで、春道君はどんな女の子がタイプなの?」
「た、タイプ!?」
「うん! 春道君のこともっと知りたいな」
「タイプかあ」
女性のタイプ……どんな答えが無難なのだろうか……
うーん、まあここは賢明にいこう
「俺が好きなのは……そうだな優しい人かな」
「……ふーん」
「え、あのー」
「いやね、ただ普通過ぎるっていうかなんというか」
なんか露骨に落ち込んでるんだが
え、無難な回答じゃまずかったかこれ
とりあえず仕切り直しだ
「優しい人って言ってもあれだよ。ほ、包容力?があるっていうかなんていうか……はは」
「……」
うわ、なんか睨まれてる無言の圧こっわ!! なんか喋ってくれよ泣
「はあ……まあそうね一つだけアドバイスしてあげる」
「アドバイス?」
「ええ、女の子にタイプを聞かれたらまず第一に優しいとか無難すぎる答えはだめよ」
「え、なんで?」
「そんなありきたりな回答誰も望んでないのよ、気になる女の子との差しでのデートならなおさらアウトね」
まじかよ、ていうか差しってなんや差しって二人きりでいいやんけ……
「なるほど、でもデートとか以外なら別にいいだろ?」
「まあ、好きな人じゃなきゃいいと思うわ」
「ふむ…」
彼女は一人だけですよ? 氷雨業 @hisame-gou
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