恐ろしいほどすらすらと違和感なく読めてしまうこの作品に対して、疑問を差し挟む能力も、感想を書くだけの感性も持ち合わせていない私にできる事は、「この作品はできれば全ての作家さんに読んでみていただきたい」そう思ってレヴューを書くことのみです。どなたかの目に留まるきっかけになれば幸いです。(^^)
一人の少女の自殺から始まる本格サスペンス。徐々に開示される情報と、じりじりと匂い立つ視えない恐怖。続きが気になる展開で上手いと感じました。私が気軽なギャグとかラブコメしか書けない人間なので、こういう本格的な小説を書ける人は尊敬してしまいますね。
読み応えのある重厚な作品です。プロローグからテンポのよい会話劇に引き込まれます。それでいて、本編中には書き手が参考とするに相応しい上質の情景描写が散りばめられています。様々な登場人物の人生が交差していく、そんな高度な構成を見事に組み立てた秀作。大人の匂いたっぷりのシリアスドラマ。是非ご一読を!
オムニバス形式で、人の生死を意識させる物語が淡々と続きます。丁寧で完成度の高い文章、的確な情景描写がリアリティを掻き立てます。