エピローグ
エピローグ
小さくて、えもいえぬ美しさだった。
柔らかさはないが、枯れてしまって、崩れる心配はない。
花でも、植物でもない。
それは、永遠に変わらないもの。
ガラスの薔薇は三つ。
その一つは、正妃となる乙女。
あと二つは、王の心次第。
王が成人の儀に薔薇が舞う。
王妃候補が選ばれる。
ガラスの薔薇が、正統なる王の運命の相手を導く。
煌めく王宮の、すべての憧憬。
王の心の鍵を開ける。
眩いばかりの道標。
愛と命。
心も魂もひっくるめて、王のすべての切り札。
お互いのためには創られ、二人は結びつく。
初めて、完璧に一つになる運命。
ただ快楽のためばかりではない。
二人は、離れ離れに生きることは、堪え切れない。
別々の道を歩むこと。
太陽も水もない地で、息絶えるのと同じくらいに。
お互いを愛し合えるから。
二人の愛から生まれる新しい命。
共に育みたいと、互いに心底願っているから。
王の心に萌す相手。
正妃以外に、選ばれることはない。
他の候補者も断固必要としない。
王の唯一無二の伴侶となる可能性もある。
お互いのガラスの薔薇が鮮烈に瞬く。
高貴な紫色に染め上げ香り出す時。
その瞬間に。
~完~
※お読みくださった皆様、本当にありがとうございました。
心から感謝しています。
出来れば第二部も朧げながらあるので、続きを書ければと思います。
その時は、ソアラとローゼルを宜しくお願い致します。
ただ次お会い出来るのは、先ずは他作品になるかもしれません。
ゆっくり執筆ですが、気長に宜しくお願い致します。
ガラスの薔薇 猫山 水海 (ねこやま みう) @nyankonote
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます