ほっこりと冬を詠む 🌞

上月くるを

ほっこりと冬を詠む 🌞





 俳句では十一月から冬に入ります。(*'ω'*)

 歳時記にも寒々しい季語がずらり。(@_@)


 なれど、こういう時期だからこそ、センチメンタリズムやナルシシズムに流れず、おおどかに冬を受け入れ、ほっこり朗らかに詩情のある句を詠みたいものですね~。


 それが最少文字の文芸の醍醐味なんだし、巡り来る自然への敬意でもあるんだし。

 そんなふうに思うヨウコさんが好ましいと感じている大先達の佳句を少しばかり。




      🍎



 

 小春日や色鉛筆に金と銀        岩田由美


 冬の蝶日溜り一つ増やしけり      小笠原和男


 鶴舞ふや日は金色の雲を得て      杉田久女


 白鳥といふ一巨花を水に置く      中村草田男


 冬薔薇の咲くほかはなく咲きにけり   日野草城


 みづからの光りをたのみ八ツ手咲く   飯田龍太


 ポインセチアどの窓からも港の灯    古賀まり子


 遠ざけし人恋ふ枇杷の咲きてより    鷲谷七菜子


 夕方がいちばんきれい冬の空      上野章子


 湯豆腐やいのちの果てのうすあかり   久保田万太郎


 冴ゆる夜の抽斗に鳴る銀の鈴      小松崎爽青


 冬苺海一枚となり光る         深見けん二


 犬の鼻大いにひかり年立ちぬ      加藤楸邨


 初春の風にひらくよ象の耳       原 和子




      🍓




 ところで、現在四つの句会に参加しているヨウコさんですが、ここだけの話(笑)構成メンバーによって句を調整しています。でないと噛み合わないことが多いので。


 試みに「十月や昨日と今日の句読点」「室町の星見るふしぎ虫集く」「星散りて夜には夜の桐一葉」の三句をふたつの句会に出してみたら、見事に評価が割れました。


 選句には投句同様のセンスや力が問われるので、地方俳誌の投句欄に多く見られる生活句が俳句と信じている方々と、まず詩情こそと念じている方々とでは……。✨




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