君を愛したいのに。

tukune

君はかっこいい。

 夕方3時半。私は高校の校庭を眺めていた。

 校庭では私の好きな人、金城蒼斗先輩がサッカーの練習をしていた。


「はぁ。今日も蒼斗先輩かっこいいなぁ〜♡」


 私は津田瑞希(つだみずき)。金城蒼斗(かなしろあおと)先輩に恋をしている。先輩と付き合えたらなぁ〜なんて妄想をしていたら、後ろから諦め気味に馴染みのある声が飛んできた。


「瑞希、まだ言ってるの。蒼斗先輩、彼女いるんだよ?いい加減諦めなよ〜」

「でもさ冥良、やっぱ、諦められないじゃん?」


 この子は九十九冥良(つくもめい)。私の友達だ。でも親友ってまではいかない、微妙な関係。

 友達が少ない私にとっては大切な友達だ。


「まあ、蒼斗先輩はかっこいいしね。瑞希の気持ちもよくわかる。けど、諦めも必要なんだよ。悲しいけど。」


 やっぱそうかぁ〜と私はのけ反りながら今にも泣きそうな顔をする。本当は泣きたくはないが、嫌われないようにするにはこのくらいしておかなければいけないだろう。このクラスゆういつの友達なのだから。


「蒼斗先輩以外にもかっこいい男子はいるって!ほらほら、お茶しに行こ〜!スタバのグランデ、奢るからさ!」


 と、いつものように冥良は誘ってくる。そうしたら、いつも通り私は「やった!行きたい!」と答えて冥良についてゆくのだ。

体重が中3の時と比べて3kg増えたのは、これのせいだろうか。

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君を愛したいのに。 tukune @daisukidayo

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