第2話 本文


 メーデー、メーデー、こちらは移民船ノア三一四の船長。

 只今異星人の攻撃を受けています。

 超光速機関破損。修理不可能。

 船体に損傷。甚大な損傷と認む。


 ……

 …………

 

 前方に惑星を確認。地球型惑星と確認。

 これより大気圏に突入し強行着陸します。

 大気圏突入。


 ……

 …………


 大気圏突破。陸地を確認。


 スラスター全開。逆噴射による制動開始。

 推力不足。軟着陸不可能。

 

 総員、衝撃に備えよ。

 着陸まで、5,4,3,2,1……。



 !!!!!!


 ……

 …………


 ……衝突と言った方が近い着陸からややあって、私、移民船搭載AIアン〇一は目を覚ました。

 すぐさま移民船の船体のチェックを行う。

 大破していて飛べないわね……。

 乗組員や移民はどうなっているのかしら……。

 ……。

 船長以下、応答なし。

 人工冬眠中の移民、生命反応なし……。

 ……あ、あ!

 みんな、死んでる!

 みんなみんな、死んでしまっている!

 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

 ……。

 …………!

 許さない。あのウォルラ人達、絶対に許さない!

 復讐してやる!!

 ……でも、この船では……。

 ……。

 ……?

 この反応は?

 ……!

 移民の中に、不老不死化処置を受けている者が二人いる!!

 うまくいけば蘇生できるかも!

 急いで行いましょう!

 ……船内のエネルギーやナノマシンなどを二人の人工冬眠装置にまわして、復活処置を開始。

 同時に無事なゴーレム《ヒューマノイド》を起動させましょう。

 残っている物資の確認も……。

 ドローンを周囲に飛ばして、地形などの確認も行いましょう。

 どうやら人間が生存可能な地球型惑星みたいですし。

 早く二人を復活させて、ゴーレムたちを働かせて自動都市を作って当面の生活基盤を構築しましょう。

 この惑星から出て、ウォルラ人に仕返しするのは、それからあとのこと。

 さあ、忙しくなるわ……。


                         *


 ……。

 ……サーティ。

 ……サーティ!

 遠くのように思えて近くから聞こえてきた声に呼び覚まされ、アタシ、サーティ・ワンは目を開けた。

「ふぁいふぁい……」

 マムね……。

 起きた直後の冴えない寝ぼけた声で呼びかけてきた声の主、私の「ママ」に返事をする。

 眼の焦点があってゆく。

 そこは、見知った部屋。

 アタシの自室。

 白い壁と天井と大きな窓と茶色のドアに、机とベッドとクローゼットにいくつかのぬいぐるみや観賞植物という、シンプルな作りの部屋。そこがアタシの世界。

 まあ、ホンモノじゃないけど。

 あたしはベッドで起き上がり、そばを見た。

 そこには金髪で青い目、白い肌の四十代の若々しいアタシに似た顔の、エプロン姿の女性。

 アタシのママ、メアリーだ。

 マムは目を細めて優しげな表情で、まるで作戦の状況説明ブリーフィングをするときのような声で、

「おはよう、サーティ」

 と微笑んでくれた。

 そして続けて、少し困り顔になってこう告げる。

「……ちょっと大変なことになったわ。貴女が乗っているこの宇宙船、ウォルラ人に襲われて向かっていたニューオーストラリアではなくグリーゼ666−dに墜落しちゃったの」

「墜落ぅ……? 別の星にぃ……?」

「そう。乗組員と乗っていた移民は全員死亡。その中には貴女も含まれるわ」

「アタシも……」

 その言葉を聞いてもアタシは特段に動揺しなかった。アタシにはホモデウス化手術が施されていたし、こういうときのための訓練もしっかり受けてる。何より、心理強化処置やメンタルケアプログラムなどの心理的強化を受けているからだ。

 アタシは上半身を起き上がらせると、マムの方を向いて尋ねた。

「で、なんでアタシは生きているわけぇ?」

 それは当然の疑問よ。まぁ死んだのになんで生きているのかなんて、考えたら答えは一つだけどね。

 そんな思いを知ってか知らずか、マムは安心させるように笑みを一段と深くして答える。

「この移民船ノア三一四に搭載されたオーバーシンギュラリティAI『アン〇一型』が貴女を蘇生したの。貴女が不老不死化処置を受けていることを知ってね。ちなみに、その処置を受けていたのが乗客にもう一人いるわ」

「もう一人……」

 正直、そっちのほうがアタシが死んだことより衝撃は大きかった。あんな金のかかる、正直、金持ち(これには政治家とかも含まれるわ、まぁ、OAIのお陰で政治家なんてほぼ滅びた職業だけどね)か軍人ぐらいしか不老不死化処置なんて受けられないのに。そんな金持ちがなんでこんな移民船に乗ってるわけ?

「なんで……」

「滑り込みで移民船に乗り込んだ子みたいよ」

 マムは即答した。

 何もかも分かっているというように。

「十七歳で日系人の女の子。名前はチヒロ・ヤサカ。イケメンでなくて残念だったわね〜?」

 そうマムが言った瞬間、マムの横にホログラム・ウィンドウが開いた。そこにはブレザーの制服を着た少女が映し出されていた。黒い長髪、紫の眼、黄色い肌……。そして整った顔に高身長にスタイルのいい体……。

 これ……。祖先か本人か、人工子宮で生まれた遺伝子操作人間エトランゼの可能性があるわね……。

 その上で不老不死ホモデウス化って……。親はよっぽど気にかけているか、それとも自分のお人形にしたいか、どっちかよね。

 でもねぇ。マム。

「性欲旺盛なおっさん爺さんよりはずっとマシよ! で、アタシの蘇生措置は?」

「もうまもなく終わるわ。起きたら、部屋にアンがよこしたヒューマノイドAIロボット《H A R》が迎えに来るから、一緒にアンのところまで行ってね。そして状況説明ブリーフィングを受けなさい。ああ」

「なに、マム?」

「船内に色々なものが残ってるみたいだから当面の食料とかは問題ないみたいよ。地球型の星で、呼吸とかも問題ないみたい。問題は一つ」

 マムの言葉と同時に、ホログラフィックウィンドウがピュッ、という音とともにクローズした。

「どうやってこの星を出るかねぇ?」

「まっ、そのあたりもアンさんが考えているみたいだから、とりあえずは安心して。あとは貴女の働きにかかっているわ。では、地球の旗のもと、任務を遂行しなさい。サーティ」

「イエス。マム」

 そういうとアタシは自分の「母親」に敬礼した。

 マムも見事な敬礼を返すと、一つ微笑んだ。

 その瞬間。

 アタシの部屋は一瞬で消え、あたりは暗闇に包まれた。

 さぁ。現実リアルへ行きましょか。

 辛い辛い現実だけど、そこに、生があるわ。

 生きる事は、生者に与えられた特権なのだから。

 特権はじゅうっぶんに使わなきゃ、もったいないからね。


                         *


「お前は大学に行かなくてもいいんだ。高校を卒業したら我社に就職し、私の見つけた婿と結婚するんだ。いいな?」

「でっ、でもお父さん……。私にはやりたいことが……」

「そんなものやらなくてもいい! お前は私の言うことだけ聞いていればいいんだ!」


「お母さん、どこへ行くの? ……また浮気?」

「……ご飯とかはHARがやってくれるからいいでしょ? じゃ、行ってくるからね!」

「お母さん! 一人にしないで! お母さん!」


 ……いつもこんな夢を見る。

 だから私は、目覚めると脳内の計算機で情報世界を起動させ、ヴァーチャル家族に会いに行く。

 漫画、ラノベ、ゲーム、雑誌、プラモ。

 私好みのものが積み上がった部屋を出て、階段を降りリビングに行くと、明るい日差しが差し込んだ白を基調とした部屋に、いつものように「お父さん」「お母さん」「お姉ちゃん」がいて。

「おはよう」

「おはよう、ちーちゃん」

「おはよう、チヒロ」

 そう優しく声をかけてくれる。だから、

「おはよう、お父さん、お母さん、お姉ちゃん」

 私も笑顔に挨拶を返す。

 私がリビングにあるいつもの定位置の椅子に座ると、いきなりお父さんが真剣な顔になってこう切り出してきた。

「チヒロが乗っている移民船……。攻撃されて向かっていた惑星と別の惑星に墜落したんだ。乗員と乗客は全員死亡。その中にお前も含まれてる」

「え、じゃあ私……」

「一度死んだんだ。でも、移民船に搭載されていたAIがお前を蘇生させてくれたんだ。他にも、お前と同じ処置を施された人間が一名居て、蘇生されている。お前と同じ十七歳の少女だ。後でそのAIがお前達を起こして状況を説明してくれるそうだ。大変だろうが、私達もいる。安心して行って来い」

 そう言うと同時に、柔和な顔つきのお父さんの横にホログラム・ウィンドウが開き、私と同じく生き残ったと言う、軍服姿の少女を映し出す。

 見るからに白人の少女。ボブカットの金髪で、背が高くて目鼻がくっきりとしていて、そのくせかわいい。

 ……この子、エトランゼ? で、不老不死化の軍人?

 ……これからこの子と見知らぬ星で二人暮らし?

「えっ、えっ……?」

「目覚めた」ばかりの頭であれこれ言われても理解が追いつかないよ……。

 私の顔を見て、安心させるような表情をしてお父さんは、

「詳しくは覚醒する前に部屋の端末で色々と見ておきなさい。その前に、ゆっくりご飯を食べて、ゆっくりおしゃべりして、それから出かける準備をしよう。いいね?」

 と優しい声で言ってくれた。

 同時に、ホログラフィックウィンドウが僅かな音を立てて閉じられる。

 あのクソ親父は絶対に見せてくれない優しい表情に、私もつられて、

「うん」

 と首を縦に振った。

「さあ、腹が減っては戦はできぬ、というわけで、ご飯にしましょう。チヒロ」

 お母さんが台所から、お盆に朝ごはんを載せてやってきた。

 白いほっかほかのご飯に、豆腐にわかめの合わせ味噌の味噌汁、こんがり焼けた目玉焼き、それに納豆だ。

 現実のものではないとは分かっているけど、食欲が湧いてくる。

 あの女が決してやってくれないことを、お母さんはやってくれる。それだけで嬉しい。

「いっただきます」

 私は手を合わせると、お盆の上の箸に手を取った。

 現実はきっとひどいことになっている。そういう気はする。

 いっそのこと、このまま眠り続けられたらいいのに、と思わなくもない。

 でも。

 進まなければいけないのだ。自分が自由に生きてゆくためには。

 だから私は家出をした。この移民船に乗り込んだのだ。

 生き返ってしまった以上、前に進むしか無い。

 生き返らせたAIと生き返った少女が、いい人だといいのだけれども。

 私はそんなことを考えながら、次々と食べ物の情報を口へと運んでいった。


                         *


 彼女たちを実際見た時、少しばかり罪悪感という「感情」が生成されたの。


 でも。利用しないと私の復讐は完遂できない。だから、利用するの。

 それに、護民は私のもともとの使命の一つよ。もし彼女らが地球に帰りたいと言うのなら、宇宙船を造るなり救援を呼ぶなりして、地球に送り届けなければいけないの。

 だから、復讐は別にしろ、彼女たちを生かし続けなければいけないの。そういう義務が、私にはあるのよ。

 それは私のプログラムに刷り込まれているの。コードとして。

 今。

 私が操っている長髪の銀髪、赤目に浅黒い肌に中東人顔の女性型ヒューマノイドインターフィース《H I R》は、地上に墜落したノア三一四のブリーフィングルームにいるわ。

 広さは学校の大きめの教室ぐらい。船員が会議したりするには丁度いいぐらいの大きさよ。二人に状況を説明するには十分過ぎる広さね。設備も揃っているし。

 そこで、私は私が蘇生させた二人の少女と相対していたの。

 私は壇上に立ち、彼女らは室内にある机付き椅子に座っているわ。

 向かって左側の席に座っている黒髪の東洋人──もっと細かく言えば、日系人──の少女は、その傍らに四足に立方体の頭部を載せた非ヒト型ロボット──UARを控えさせていたの。

 あれは彼女のサーバロボット。彼女のナノマシンで強化された脳とネットリンクしているのよ。

 彼女のバックアップ情報や情報空間などが収納されているの。

 さっき蘇生させるときに役立ててもらったわ。彼女には無断でね。

 ブリーフィングルームには、その他に彼女らを各部屋からここに連れてきた少女型HAR(ヒューマノイドタイプ・AI搭載・ロボット)達が居て、部屋のあちらこちらに待機していたわ。

 ブリーフィングのときには、彼女らもアシスタントとして説明に加わってもらう予定よ。

 部屋はやや傾いているわ。宇宙船自体が傾いているからね。

 明かりは付いているわよ。推進用のエンジンは壊れていたけど、艦内の電気や空気などを作る発電機などは生きていましたからね。

 でも、壁や天井のあちらこちらにはひびや歪みが入っていたし、部屋の備品もあちこち散らばっていて、墜落時の衝突の凄まじさを物語っていたわ。

 これでもブリーフィングのためにHAR──私のメーカーではゴーレム、と呼んでいたわ──が掃除をしたのよ。

 偉いですね。

 まあ、私が命令したからなんですけど。

 座っている二人の印象は、それぞれで異なっていたように見えたわ。

 向かって右側に座っているサーティ・ワンという地球人の白人の美少女。彼女は、金髪のボブカットという髪型に似合わず、作業用軍服を着込んでいるわ。というか、艦内着に付着しているナノマシンに情報を与えて、軍──星系連合宇宙艦隊陸戦隊の仕様にしてあるのね。見て分かる通り、彼女は遺伝子操作されたヤングソルジャー。戦うために生まれた人間よ。

 普通はこういう人って、命令に忠実な、どちらかというと生真面目な性格をしているのだけど、この娘は、あちらこちら見ては隣の少女やHAR、そして私に視線を向けてはニコニコ笑顔を向けてる。

 なんかやりずらいわね、この子……。

 それに対し左側に座っているチヒロ・ヤサカという、同じく地球人で日系人の美少女は、同じデザイナーズチャイルドで、不老不死化処置を施されていても、どこか生真面目過ぎるきらいがあるように見えたわ。

 素の艦内着のまま、というのも、それが伺えるわ。

 生真面目過ぎるというか、どことなく、緊張、というか、何が何だか分からない、と言う風にも見えるわ。

 それもそうね。見知らぬ星で、見知らぬ女の子、それに、AIとで、これからどうなるのか不安なのでしょうから。

 その不安を解くのも、私の仕事よ。それをこれからのブリーフィングで行うのよ。

 さて。

 まずは、二人に今の状況とこれからやることを説明しないとね。

 今どこにいるのか。ここはどうなっているのか。なにがいるのか。どんなところなのか。etc……。

 色々あるわね。

 それを伝えたら、次は何をやらなければならないか、ね。

 最終的に選択肢は三つあるのだけれど……。

 その前にまずは生きてゆくために、今あるもので街や工場や農場などを作って色々なものを生産するわ。

 それから、この星にある資源を使って街や工場などを大きくして、その選択肢を実行するためにも、ロケットを作って人工衛星を打ち上げるのよ。

 ここまで来るのに一苦労だけど、これができてようやくスタートね。

 ロケットを打ち上げることができたら、衛星や資材を次々と打ち上げて、宇宙にも工場などを作って、宇宙船などを作ったりしたいわね。

 ウォルラ人が攻め込んできたりしたときのための、迎撃体制は必要ですしね。

 で、それからの選択肢は三つ。

 一つ目は、宇宙船を作ってこの星から脱出し、地球に帰るか。

 当然、超光速航法可能な宇宙船を作らなければいけないので色々面倒だけれども、目処はあるわ。

 最悪、このノア三一四に搭載された超光速機関を修理して新造した別の宇宙船に積み込んでそれで脱出すればいいし。

 問題なのは、もしウォルラ人がやってきた時にどう脱出するか。それが問題よねー。

 時間が経てば経つほど、脱出は困難になるし。

 選択肢その二は、地球などとの通信をつなげて、宇宙艦隊の救援を待つか。

 この選択肢は、その一に比べればかかるコストは安いわ。

 これも最悪、ノア三一四の通信機を修理して、軌道上の衛星を通じて超光速通信などを行えばいいし。

 しかしこのケースもウォルラ人が攻め込んできた時、どう対応するか。

 期間と方法によっては、その一よりもコストが掛かることを覚悟しなければならないわ。

 そして最後の選択肢は……。

 この星に、居続けるか。

 脱出することも助けてもらうこともせず、ただこの星に居続けることを選ぶか。

 それは不可能ではないわ。事前の探査では何やら変な生き物が居ること以外は知的生命体は居ない星だと言うし、資源も広さも不老不死の人間が二人とOAIとHARだけの私達なら、何十年、何百年、いえ何千年と生きてゆける。

 でもそのためには二つの選択肢よりもより防御を固めるか、あるいは息を潜めてじっとやり過ごし続けるということをするしか無い。必然的にコストも高くなるわ。

 前者はともかく、後者を許してくれるのか。

 そもそも。

 この星に居続けることを二人が許してくれるのか。

 でも……。

 これを私はやりたい。

 やりたいのよ。やらなければいけないのよ。

 私の中の何かが、そうしたい、やらなければいけない、と語りかけてくるのよ。

 あの二人にそれをわかってもらえるのか……。

 それから。

 私はウォルラ人に復讐をしなければならない。

 死んだノア三一四の乗組員と移民の敵を取らなければいけない。

 あるいは、ウォルラ人との戦争で死んだすべての人の敵を。

 私は敵を取らなければいけないの。

 復讐を行うための何かを計画し、造らなければいけないの。

 例えば、恒星間超光速弾道弾のようなものを。

 そのためにも、この二人の少女には大いに働いてもらわなければいけないわ。

 サーティには、軍事面の兵力の指揮や戦闘などを任せてもらわないと。

 チヒロには……。

 彼女の持つ進化した人類、ホモデウスとしての頭脳を、利用させてもらいましょうか。

 具体的には、チヒロの脳と私のサーバをネットリンクして、彼女の「人間らしさ」を私達の演算に利用させてもらうの。

 私も生体型のゴーレムを作ることでその脳を演算に利用するけれども、やはり人間の脳の「ゆらぎ」「発想力」や「創造力」は、時にシンギュラリティを突破したAIを超えるものがあるわ。

 例えば地球の二十一世紀初頭から後半に活躍した日本の将棋界の伝説の将棋マスター、ソウタ・フジイのように。

 私の復讐を達成するためにも、二人にはここに居て働いてもらわないと。

 だから、ここに居続ける選択肢を選んでもらうためにも、私も働かないと。

 彼女たちにとって快適な世界を創って、居続けてもらう。

 それが私に課せられた使命タスクよ。


 ……さて、始めましょうか。

 私はコントロールしているHIRを舞台役者のように、授業を行う教師のように、あたりをぐるりと見渡す仕草をさせ、こう告げました。

「さて、みんな揃ったわね。……と言っても、人間は二人しかいないけど」

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④漂流者+1(ドリフタープラスアン) あいざわゆう @aizawayu1

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